汐留ファンディングとは?
2023年3月のサービス開始以降、年間10件弱のペースで安定的に高利回りのファンドを組成しており、当サイトの「高利回り」ランキングで4位(2024年5月時点)となっているサービスですが、利回りだけが魅力のサービスではありませんので、本記事では徹底解説します。
「汐留ファンディング」は不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
「汐留ファンディング」は、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 優先劣後構造でファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- 元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
「汐留ファンディング」を他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
利回りが当サイトに掲載する不動産クラウドファンディングサービスの平均値よりかなり高いです。
劣後出資比率は平均値より若干低いのですが、上場企業の他、特に安全性を重視するサービスを除くと標準的な劣後出資比率は10%程度ですので決して低いわけではなく、高い利回りの割にかなり安全性に配慮した商品設計といえます。
汐留funding ファンド提供状況
項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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利回り
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7.8%
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8.7%
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6.07%
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劣後出資比率
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12.2%
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14.4%
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18.78%
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組成件数
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4件
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10件
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–
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資金調達額
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1億3,300万円
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2億6,900万円
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–
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運用終了額
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–
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6,600万円
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–
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「汐留ファンディング」のサービスの魅力、特徴
「汐留ファンディング」が高利回りランキング上位と聞くと、利回りが高いハイリスク型ファンドをイメージしてしまいそうですが、実は、利回りに加えて安全性にも配慮された、非常にバランスの良いファンドとなっており、管理人が分析・評価した結果をまとめると、以下の特徴をもった、是非おすすめしたいファンドとなっています。
汐留ファンディングとは
- 平均8%弱の高利回りファンドをコンスタントに提供
- ファンドの中途解約が可能
- 劣後出資比率も平均12%を超え、安全性も両立
- ノウハウのある得意事業に特化しており、大失敗の心配が小さい
- 運営企業は小規模だが非常に堅実で安心感大
- 税理士や会計士法人との強い提携で独自の売買ルートも期待
- 最大の課題は、抽選倍率が高く、なかなか投資できないこと
「高利回り」は
本サイトで比較いただけますし、「中途解約が可能」というのも事実ですので説明は不要ですね。
ただ、その他の特徴があまりに高い評価で、投資を煽るうさんくさい記事だと思っってしまったでしょうか?
煽りではなく、管理人は本当に良いサービスだと感じています。管理人は本サイトに掲載したサービスをどれも投資先候補としていますが、このサービスへの投資比率は、今より高めたいと考えています。
本記事では、このような高評価とした背景を順番に解説します。
汐留ファンディングが提供するファンドの安全性とは?
まず、安全性に関する評価の背景を解説します。
マンションリノベーションと戸建住宅に特化したファンド運営
不動産会社にはそれぞれ、得意な事業領域があり、その事業領域に関する業界ネットワークやエンド顧客層(一般の不動産購入者)を構築してきています。
本来ならその得意領域でファンドを組成したいのですが、不動産クラウドファンディングは配当やマーケティングコストが高くつくため、ノウハウが多少不足していても、「粗利率が高く、案件の規模が大きい開発パターン」の案件に手を出したくなります。
ところが汐留ファンディングでは、「数千万円規模」の、「マンションリノベーション」または「戸建住宅」のファンドに特化した運営を継続していますので、この領域でのノウハウが蓄積されます。
賃料や売買相場、リーシング(賃借人を募集すること)のノウハウ蓄積が活きる領域ですし、一定の工事件数を確保していますので、しっかりした施行会社も確保できているはずです。(人手不足の中ですので、しっかりした工事会社を確保するには一定の工事件数を維持することが重要になります。)
そのため、マンションの売却価格やリノベーション工事費の見通しが多少狂ったとしても、「大幅な損失を出してしまう」可能性は低いでしょう。
平均12%を超える高めの劣後出資比率
得意領域を絞り込むことで損失リスクを限定した上で、汐留ファンディングは劣後出資比率が平均12%を超えていますので、12%までの損失であれば、投資家の元本が守られます。
不動産会社のノウハウがある領域で、売却価格を12%下げても売却できない、というケースはかなり限定されるというのは、なんとなくイメージができるのではないでしょうか。
これが冒頭の特徴で、「大失敗の心配が小さい」と書いた背景です。
もちろん投資なので元本保証はないのですが、仮に損失が出た場合も損失率が小さく済むことが期待できる、というのは、魅力ではないでしょうか?
汐留ファンディングの運営企業が堅実だと言える理由
次に、運営企業が「堅実」と評価した理由を解説します。
ここでは、汐留ファンディングを運営する「汐留プロパティ株式会社」と、提携先である「汐留グループ」それぞれについて触れます。
汐留ファンディングを運営する汐留プロパティ株式会社とは?
まず、当サイトに掲載している汐留プロパティ株式会社の決算(2024.5時点)を見てみましょう。
まず、PLからは、不動産自体で稼ぐ力である「売上総利益」が非常に高く、粗利率の高い案件を扱えるネットワークを持っていると推測できます。
その上で、BSを見ても、堅実に純資産を積み上げ、自己資本比率を14.28%まで積み上げています。
業界平均の水準には及びませんが、ファンドでの資金調達額も累計で2億6,900万円と大きくありませんので、ファンドで多少損失が出ても運営企業の純資産を棄損することはない状況です。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
後述しますが、汐留プロパティという会社自体が「会計士法人や税理士法人の不動産部門として設立」されているという点は強みになります。
不動産投資は富裕層の相続税対策として欠かせないものですが、税理士の業務では不動産売買ニーズに触れる機会が多いため、税理士法人との強い提携関係は、企業としての強みのひとつでしょう。
粗利率の高さを考慮すると、汐留ファンディングでやるような、自身が区分マンションを所有してリノベーションするような事業だけではなく、富裕層の不動産売買時の仲介手数料など、利益率の高いコア事業を持っている可能性が高そうです。
また、会計監査法人から決算についてのアドバイスを受けているなら、決算の正確性にも信頼が持てますし、純資産を積み上げている堅実な経営姿勢にも納得がいきます。
汐留プロパティ株式会社 決算情報(BS)
項目
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2023年03月31日
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2022年03月31日
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2021年03月31日
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全サービス平均
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総資産
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13億3,543万円
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13億8,516万円
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10億7,526万円
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–
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純資産
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1億9,064万円
|
1億1,324万円
|
2,405万円
|
–
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自己資本比率
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14.28%
|
8.18%
|
2.24%
|
23.42%
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運用中資産規模 AUM(※)
|
2億1,900万円
|
–
|
–
|
–
|
AUM÷純資産
|
1.15
|
–
|
–
|
8.13
|
現預金
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1億8,167万円
|
2億8,410万円
|
1億9,721万円
|
–
|
現預金比率
|
13.6%
|
20.51%
|
18.34%
|
8.66%
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※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
汐留プロパティ株式会社 決算情報(PL)
項目
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2023年03月31日
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2022年03月31日
|
2021年03月31日
|
全サービス平均
|
売上高
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10億5,191万円
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8億4,533万円
|
4億6,790万円
|
–
|
売上総利益
|
4億7,385万円
|
2億7,747万円
|
2億2,507万円
|
–
|
売上総利益率
|
45.05%
|
32.82%
|
48.1%
|
18.64%
|
営業利益
|
1億1,346万円
|
552万円
|
1,193万円
|
–
|
営業利益率
|
10.79%
|
0.65%
|
2.55%
|
2.95%
|
経常利益
|
1億1,346万円
|
552万円
|
1,193万円
|
–
|
経常利益率
|
11.75%
|
0.35%
|
1.42%
|
1.44%
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汐留プロパティ株式会社と提携する汐留グループとは?
汐留ファンディングの説明によると、汐留プロパティという運営会社は、「会計士法人や税理士法人の不動産部門として設立」されたとのこと。
そこで、会計士法人や税理士法人グループである、「汐留グループ」とはどんなグループか、創業からの沿革を確認しました。
汐留グループの公式サイトにある、
グループ沿革から画像を抜粋しますが、創業当初は公認会計士としてスタートし、税理士事務所等、関連する士業との合併により士業グループを拡大していったようです。
会計士事務所は企業の会計や財務面のコンサルティングをしたり、上場企業の会計監査を行う会計のプロですから、汐留プロパティの財務がしっかりしているのはグループからのアドバイスや指導もあるのかもしれませんね。
直近までの沿革を見ると2022年には会計、税務及びコンサルティングサービスを提供する世界第6位のRSM Internationalに加入しています。
前述の通り、税理士は相続対策などで不動産に関する相談を受けることがあるため不動産会社と提携している法人も多いですが、自らが不動産部門を立上げ、提携先としたのであれば、優先的な相談相手に汐留プロパティを位置付けているでしょう。
その上で、自身のクライアントである企業や富裕層に迷惑はかけられませんので、汐留プロパティとしては、提携する汐留グループから紹介を受けた顧客に信頼されるような誠実な対応が求められることも想像に難くありません。
汐留ファンディンではファンド募集サイトに紙媒体で配布可能な「パンフレット」が掲載されていますが、これを汐留グループでも紹介しているなら、より一層、変なファンドは組成できないですね。
パンフレット例:
汐留ファンディング10号(江戸川区松江マンションプロジェクト) パンフレット
なお、汐留グループの概要を見ると、汐留プロパティ株式会社は「会計士法人や税理士法人の不動産部門として設立」されているものの資本関係はないようで、「提携先」として掲載されています。
こういった業態では血が濃くとも資本関係はないケースは多いですが、汐留プロパティの倒産危機に汐留グループによる救済までは期待できませんので、あくまで汐留プロパティの稼ぐ力や財務基盤をしっかり見ていく必要がありますね。
汐留ファンディングの留意点
ここまで汐留ファンディングの魅力をご説明しましたが、管理人はまだ汐留ファンディングに投資できていません。
今後も、いつ投資できるかわかりません。
理由は単純で、「抽選式で、抽選倍率が高い」ことです。
汐留ファンディングのサイトから、比較的利回りの低かった6号ファンドも含めて倍率がわかる画面を抜粋しますが、募集率が472%から2201%と、非常に高くなっています。
Web上での派手な宣伝は見たことがないのですが、士業グループとのネットワークで対面でのパンフレット販売などの効果もあるかもしれませんね。
簡単には当選できませんので、管理人は毎回応募するつもりで、投資チャンスを狙いたいと思います。
最後に
本記事では、汐留ファンディングを絶賛に近い形で紹介していますが、もし汐留ファンディングの抽選倍率が低く、投資しやすかったとしても、1社への集中投資はお勧めしません。
どんな企業でも、万が一の倒産リスクはゼロにはなりません。
安全性でいえばインカム型で劣後出資比率が30%以上ある更に安全性を高めたサービスが存在しますし、複数のサービスに分散投資することで、適度な利回りとリスク抑制を両立する投資方法をお勧めします。
当サイトでは応募できるファンド情報を提供していますし、新しい魅力的なサービスが出てくれば、できるだけ早くサイトで扱っていくよう努力しますので、投資先探索の際の参考として下さい。
鈴木 万里夫(仮)
株式投資歴20年以上を経た後、株式・投資信託との分散投資先として不動産クラウドファンディング投資をスタート。
不動産クラウドファンディング投資実績10ファンド / 1,000万円以上。今後もコンスタントに年間10ファンド程度に分散投資を継続予定。
投資検討のために自身が欲しい情報を集約できる投資サポートサイトとしてInvestor’s EYEを企画し、現在管理人として運営中。
【保有資格】 不動産証券化協会認定マスター / 宅地建物取引士