Owner's Siteとは?
2025年11月に、上場企業であるJトラスト株式会社の子会社であるJグランド株式会社が、新たに不動産クラウドファンディングサービス業界に参入しました。
上場企業子会社ということでガバナンスや決算の正確性、親会社含めた企業の信用力については一定の期待が持てますので、是非良いサービスに成長させていっていただきたいところです。
運営事業者は、富裕層向け節税商品の取り扱いが得意な買取再販事業、及び開発事業を行っています。
節税商品とは、例えば、築古木造アパートをリノベーション投資することで、購入者に比較的大きめの減価償却費が短期間得られるような物件です。
高所得者は所得税が高いため、「減価償却費」分を損益通算することで所得を減らし、税金支払いを低減することが可能になるため、見かけの配当利回り以上の価値を訴求して販売することが可能です。
これ以外にも、築浅の1棟RCマンションを取得すると、相続税評価額を大きく低減することが可能であり、富裕層の相続税対策商品として、同じく、見かけの配当利回り以上の価値を訴求して販売することが可能です。
1号ファンドは減価償却費狙いの商品に見えますので、本業の販売力を活用して売却されることが期待できそうです。
西武池袋線「中村橋」駅から徒歩6分の1棟アパート投資
西武池袋線「中村橋」駅から徒歩6分と、好立地の1棟アパートを取得するファンドです。
賃料利回りは6%に満たない水準となっており、インカム型として見れば投資家への配当は6%を下回ってしまうのですが、1号ファンドはキャンペーンが適用されており、売却益も含めて12%の配当をめざす設計となっています。
好立地で一定の収益を生んでいる1棟収益物件ですので、購入を希望する富裕層も多く、流動性面でも懸念が小さい物件ですので、市況悪化時のリスクもある程度抑制されており、これで想定利回り12%というのは、さすがサービス開始直後のキャンペーン適用ファンド、ではないでしょうか。
築古アパートとしては物足りない印象も感じますが、節税商品として販売する力がある企業にとっては、この水準でも利益が出せる価格で販売できる、というのが運営事業者の考え方です。
なお、本ファンドは不動産クラウドファンディングでは珍しい、第三者鑑定評価が取られており、第三者鑑定評価額から見ると、この事業計画自体は妥当な計画と言えそうです。
もっとも、鑑定評価は、「必ずこの価格で売れる」ことを保証するものではありませんので、「ある程度幅のある市場価格を示すもの」くらいに捉えると良いと思います。
劣後出資比率は7.5%水準と低い
少し残念ですが、本ファンドの劣後出資比率は7.5%弱と、決して高いとは言えない水準です。
鑑定評価額や売却シナリオを考えると、市場価格より安く仕入れており、それ自体が安全性を高めているという見方もできますが、上場企業グループならではの資金力で手厚い劣後出資をする、という方針ではないようです。
キャンペーン終了後もこの劣後出資比率が続くようだと、市況悪化時に投資家の損失発生リスクが高くなる可能性もありますので、この点は良く見ていく必要があるでしょう。
運営会社の自己資本比率が低いことなども考えると、親会社は本業での資金需要が大きく、子会社は子会社で資金調達手段を持つ必要があるのかもしれません。
過剰なリスクをとるようであればリスクが高まる懸念もありますが、一方で、今後、不動産クラウドファンディングで積極的に資金調達、ファンド組成を進めていく可能性もあります。
親会社の支援も期待できますので、適度なバランスが維持されれば、投資家にとって面白い分散投資先候補になってくれるのではないでしょうか。
運営会社の決算について
運営会社についての
記事も掲載していますが、上場企業子会社ながら、自己資本比率がかなり低い水準となっています。
ただ、よく見ると不動産を担保としない長期借入金が確保できているなど、親会社の支援を受けていることが想定されますので、記事を一度ご覧いただければ幸いです。