18号ファンドで取得したはずの土地を借地権に変えて組成?18号ファンドの事業はどうなった?
DARWIN funding一棟マンションの開発を積極的に行ってきていますが、本件ファンドはよくわからない点が多いため、まず疑問点から触れさせていただきます。
借地権付き建物だということが、Webサイトには書かれていない??
本ファンドでは一棟マンションを開発するのですが、
Web上では記載がないものの、契約成立前書面を確認すると、土地は所有権ではなく、借地権となっています。
つまり、土地を土地オーナーから借りて、建物を建築する借地権付き建物となります。
借地権ですので土地の値上がり益は得られませんし、借地使用料の支払いも発生するため、収益不動産としての収益力も低下します。
その分物件の価格は安くなりますし、流動性についても一定の影響が出ます。
土地が借地権ということは、投資判断において一定の重要性がある内容なのですが、この内容がWebサイトを見ただけではわからない、というのは良いことではないでしょう。
投資家保護の観点でこの情報開示姿勢は望ましいものではない、と感じた1点目の疑問点です。
開発型18号ファンドの土地で事業内容を変えて募集するファンド??
本ファンドは、開発型18号ファンドで取得し、マンションを建築する計画であったたはずの土地上で、再度マンションを建築するというファンドとなっています。
それぞれのファンドの取得対象となっている土地情報とファンドの募集金額情報を整理します。
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開発型29号 |
開発型18号 |
| 地番 |
板橋区蓮根二丁目26番18 |
板橋区蓮根二丁目26番18 |
| 土地面積 |
132.23㎡(登記簿) |
132.23㎡(登記簿) |
| 土地の権利形態 |
借地権 |
所有権 |
| 運用期間 |
2025年9月1日~2026年3月31日 |
2024年8月20日~2025年6月19日 |
| 資金使途 |
建築費用の調達 |
建築費用の調達 |
| 建物構造 |
鉄骨造 地上4階建て |
鉄骨造 地上4階建て |
| 延べ床面積 |
297.05㎡(予定) |
297.05㎡(予定) |
| 募集額 |
4.22億円 |
5.625億円 |
| 劣後出資比率 |
10% |
20% |
こう見ると、どう見ても同じ土地上に、同じ建物を建てるファンドに見えますが、なぜか土地が所有権から借地権に変更になり、事業費用が小さくなっています。
事業費用以外にも、以下2つの大きな疑問点が残りそうです。
①
開発型18号は既に2025年6月19日には運用期間を終了していますが、このファンドで建築予定だった建物建築は、完了できずに終わった?、ということなのでしょうか?
②開発型18号の組成時には土地の購入契約は締結済みであったはずですが、その際に取得した
土地の所有権が、なぜ今回は借地権になったのでしょうか?
このあたりは投資家の投資判断において非常に重要なポイントですが、Darwinの公式Webサイトでは説明が確認できません。この2点目の疑問点は、非常に大きな課題に感じました。
投資家保護の観点では、この情報開示姿勢は望ましいものではない、と管理人は感じますが、みなさまいかがでしょうか?
現時点では18号の状況や29号がどのような形で18号の事業を引き継ぐのか、といった情報がありませんが、これではさすがに投資判断ができませんし、今後追加情報の発信があるのではないか、と期待します。
今後出てくると期待したい追加情報を踏まえ、投資判断材料がそろってから投資判断するべきか、ということで、現時点での情報では管理人の投資判断は、「不可」とさせていただきました。
開発型18号では土地だけ「建築条件付」で売却している可能性も?
当サイトの掲示板に寄せられた情報において、18号出資者に対して「工事発注が一時的に難航し、実際の着工に至ることができませんでした。」という内容を案内するとともに、元本と配当の償還がなされたという情報が寄せられています。
企業公式の開示書面などではなく、掲示板記載内容の転載ですので、前提条件などが見えない部分もありますが、この記載を前提とすると、開発型29号の条件との整合性がとれるケースとしては、以下のような可能性もありそうです。
①開発型18号ファンドでは土地を転売して配当原資分の利益を上げている
②その際、土地の買主に対してダーウィンが建物を建築することの承諾を得ている
建築条件付で土地を売却した上で、これから開発する土地上の建物についても土地の買主に売却する、といった交渉ができるのかもしれません。
開発型18号では土地の転売で既に利益を確保しており、土地・建物の総事業費が膨らんでもなお、十分な賃料収入が得られるのか、といった検証は必要になりますが、もしこういった状態であるなら、開発型29号で借地権になっていること自体に矛盾はないかもしれません。
もちろんこれは勝手な想像であり、可能性の一つ、という意味合いですので、公式からの追加情報を待って確認、判断をいただけますようお願いします。
開発するマンションの収益力見通しはどうなの?
都営三田線「蓮根駅」まで徒歩6分の立地となっており、周辺マンションを調べてみても、立地面での競争力は悪くありません。
ただし、周辺の18㎡前後のワンルームマンションの坪単価は1.8万円前後ですので、新築ということに加えてDARWIN独自の工夫で賃料アップを狙うことも期待して2万円/坪と想定してみましょう。
1坪あたりの年間収入は24万円となります。
一方で、専有面積1坪あたりの原価を考慮する際には、延べ床面積(建物の総床面積)から、共用部の廊下などの賃貸できない部分の面積を除く必要があります。
延べ床面積のうち、貸出て収益を生む専有面積の比率を80%(レンタブル80%)と仮置きすると、専有面積1坪あたりの事業原価は約586万円となります。
1坪586万円の原価で、賃料収入が年間24万円得られるということは、表面利回り4.1%相当になります。
当然この収入を得るためには日常の不動産管理や修繕、税金支払い、本件については借地使用料の支払いなども必要になりますので、費用支払い後の利回り(NOI利回り)はもっと低くなります。
本ファンドでは、不動産を開発して、売却益で配当する計画ですので、1坪あたり586万円=原価で売っては配当ができませんので、配当分高く売却できる必要がありますので、物件利回りは更に低下することになります。
本件が借地権付き建物という特性を考えると、表面利回り4.1%というのは、管理人にとっては正直心もとない水準に感じますが、みなさま、どうお感じでしょうか?
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数値 |
備考 |
| 延床面積 |
297.05 |
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| 想定専有面積 |
237.64 |
レンタブル比80%想定 |
| 総事業費 |
4.22億円 |
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| 専有面積あたり原価 |
5,860,125円 |
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| 周辺賃料坪単価 |
1.8万円/月程度 |
近隣/専有面積18㎡前後の1R相場より |
| 年間想定収入/坪 |
240,000円 |
新築を考慮し+10%水準 |
| 想定表面利回り |
4.1% |
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ただ、本件は開発型ファンドのため、総事業費全てが開発原価とはならないはずですので、実際の利回りはもう少し高くなることが期待できます。
というのは、調達した資金の使途は、「土地の購入コスト」「建築コスト」「税金等の諸経費」「キャッシュリザーブ+リスクバッファ(予備)」といった用途となり、必ず現金として残す余剰分が含まれるはず(そうでないと、開発コストが1円でも増えたら資金ショートすることになります)なので、総事業費からキャッシュリザーブ、リスクバッファを除いた金額が実際の開発原価となります。
このため、実際の事業原価は、総事業費より小さいと想定すると、上記試算よりは、想定利回りが高くなるのかもしれません。
DARWINの悪い点
DARWINについては、これまでも何度か事業収支の試算をしてみました。
管理人自身、実際に投資もして運営結果レポート(財産管理報告書)の確認を楽しみにしていたのですが、残念ながら、投資をしてみても、実際の事業収支の内訳イメージはつかめず、上記のような試算と実体の乖離を把握することができませんでいた。
DARWINの悪い特性だと感じますが、ファンドの運用終了後の財産管理報告書では、上記のような資金細目の記載が一切なく、総事業費全てが「不動産の原価」にまとめられてしまいます。
本来総事業費を1円も残さず開発費や税金支払いに使いきる、なんてことはありえないと思うのですが、現在の不動産特定共同事業法の運用では、このような記載が許されてしまうようで、実際の開発原価が見えない状態です。
このあたりは是非、監督官庁からの指導や業界自主ルールで改善をしていってもらいた点だと個人的には感じます。
特に今回については開発型18号との関係性がわからないなど、疑問点も多い内容となっていますので、是非、情報開示の改善を検討いただきたいと感じました。
運営事業者の決算の確認も推奨
本ファンドの設計では、劣後出資比率10%ということで、総事業費4.2億円のうち、0.4億円を事業者が劣後出資で賄う設計となっています。
開発型ファンドでは、開発コストが上振れや工期の延伸リスクがある他、売却価格が想定ほど伸びない、といったリスクがあることは織り込んで投資判断が必要です。
一方で、
劣後出資比率が10%あるということは、当初想定する事業収支が悪化して、10%の損失が生じても運営事業者がその損失を負担する、という構造です。
気になる点を加えると、現在公開されている直近データでは、運営事業者の2025.3末時点の純資産が3.3億円程度である、という点です。
不動産会社では、金融機関は基本的に運転資金に融資をしてくれませんので、不動産などを担保にして資金調達をするか、自己資金(純資産)から手元キャッシュを確保する運用となるケースがほとんどです。
純資産3億円の企業が複数のファンドを並行して運営する中で、各ファンドに0.4億円規模の劣後出資を行うというのは、かなりの資金繰りの工夫が必要です。
社債等の形で金主から資金拠出を受けるなど、いろいろなやり方はあるにはあるのですが、銀行融資ほど低利で得られるやり方は限定されますし、
仮にもう少し規模が大きいファンドで0.5億円の劣後出資を行う設計の6つのファンドで大きな損失が発生すると、運営事業者の純資産をほぼ失う可能性もあります。
運営事業者の自己資本比率が低く、ファンドで大きな損失が出た場合に他ファンドに波及するリスクがあることは改めて確認していただければ、と思います。