「TREC FUNDING」とは?
2020年のサービス開始以降12ファンドを組成し、既に2ファンドの償還を完了した実績を持つ不動産クラウドファンディングサービス(※)です。
※不動産クラウドファンディングサービスは、不動産特定共同事業法に基づき提供される不動産投資から得られる利益を原資に配当、元本償還を行う投資商品です。
不動産クラウドファンディングサービス共通の特徴については記事後半で解説します。
「TREC FUNDING」を他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
利回りは当初は4%程度のものも多くありましたが、最近のファンドでは6.5%と当サイトに掲載する不動産クラウドファンディングの平均より少し高い水準です。
ファンド組成件数も直近6ヶ月間で1件と決して多いとは言えません。
当サイトは管理人が投資したいと感じるサービスのみを掲載しているのですが、実は、サービス開始当初は商品設計が定まらず迷走している印象を持っていたため、掲載を見送っていたサービスでした。
が、
2025年1月募集開始予定の「TREC12号」が非常に良いファンドに感じましたので、この1件のみの評価で掲載を決めました。
ファンド詳細についても別途解説しようと思いますが、
プロ投資家向けにも通じるようなファンドを個人投資家向けに提供するものであり、この1ファンドのために会員登録をする価値があるのでは?と感じさせるものです。
プロ向けファンドを運営する上場企業ならでは、の底力を感じますので、今後のファンドにも期待したいところです。
項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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利回り
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6.5%
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5.2%
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6.43%
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劣後出資比率
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6%
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6%
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18.43%
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組成件数
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1件
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10件
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資金調達額
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2億400万円
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18億3,360万円
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運用終了額
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4億6,040万円
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※2024年12月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選34サービス」の平均値です。
「TREC FUNDING」のサービスの魅力、特徴
他の不動産クラウドファンディングサービスと比較しての一番の魅力は、
プロ向けファンドも運営するアセットマネジメント、ファンド運営のプロであるトーセイ株式会社の組成するファンド、という点でしょう。
堅実な経営を続けている上場企業が運営しているため、サービス開始当初のファンドでは投資家保護のために劣後出資比率を高めた結果、「倒産隔離スキーム」が機能しないなど、若干迷走していたイメージがあったのですが、上場企業としては、投資家に損失を与えることで自身のレピュテーション悪化を招くようなことは許容できませんので、投資家保護を最優先にしていたことが原因でしょうから、投資家にとって悪いというわけではありません。
そして、
2025年1月に組成する12号ファンドでは、これまでの倒産隔離スキームの課題をクリアするため、プロ投資家による劣後出資を確保したファンドをおそらく業界で初めて組成しました。
プロ投資家は当然物件のチェックもしますし、プロ投資家にとって投資するだけの魅力がないと投資しません。
さらに
ファンドで損失が生じた場合には、そのプロ投資家が優先的に損失を負担してくれるわけですから、個人投資家に変わってリスクチェックをしっかりされているという構造は、非常に安心感が持てる仕組みです。
12号ファンドではかなり物件を安く仕入れられられたことで、プロ投資家にとっても、個人投資家にとっても魅力のあるファンドができているため、13号以降のファンドで同じことができるかはわかりませんが、こういったファンドを組成できるだけの総合力がある、ということは投資家にとっては今後も期待するだけの価値があるのではないでしょうか。
また、「売却益の30%を投資家に配当する」といった契約条件での提供が可能となっています。
売却益が上振れると投資家への配当も上振れますので、12号ファンドのように安く物件を強いれているケースでは特に魅力が大きい契約条件です。
ちなみにCOZUCHIや利回り不動産、FUNDIなどが同じパターンの契約約款をもっていますが、どこもこれまでは「売却益の25%」を配当する形ですので、「売却益の30%」配当は、業界最高水準かもしれません。
「TREC FUNDING」とは
- プロ向けファンドも運用する上場企業が運営する本格派ファンド
- 不動産クラファンでは初の、プロ投資家がファンドに劣後出資するファンドを組成する総合力
- 利回りが上振れる約款を持っており、アップサイドも期待可能
「TREC FUNDING」を運営するトーセイ株式会社とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、「TREC FUNDING」を運営する「トーセイ株式会社」をチェックしてみましょう。
トーセイ株式会社の基本情報
東証プライム市場に上場する老舗の不動産会社です。
不動産開発からリノベーション、賃貸管理、ファンド運営など非常に幅広い事業を行っています。
特にプロ向けファンドのアセットマネジメント事業も行っており、ファンド運営に関しては、不動産クラウドファンディング事業者の中でも屈指の実績を持つ企業です。
ファンドの商品設計も所謂「倒産隔離スキーム」が実現可能な特例事業スキーム(ファンド運営のみを行うSPCが事業主体となり、実際の不動産運営をトーセイが委託される形態)となっており、不動産特定共同事業法に加えて金商法の免許も必要となっており、運営に必要な人的耐性などを持っている他、金融庁にも運営を管理される仕組みとなっています。
トーセイ株式会社の決算情報チェック & 業界平均との比較
まず、当サイトに掲載しているトーセイ株式会社の決算(2024.12時点)を見てみましょう。
財務の健全性が現れるBSを見ると、自己資本比率が30%を超えており、平均を大きく上回っており、非常に安心感のある数値です。
企業の稼ぐ力が現れるPLを見ても、売上高総利益率、営業利益率、経常利益率とも、平均を大きくうわまわり、運営企業の財務面、稼ぐ力ともに不動産クラウドファンディング事業者の中ではかなり優れた水準となっています。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
まとめ:「TREC FUNDING」とは?
運営企業の信用力やファンド運営ノウハウ・実績は、不動産クラウドファンディングサービス事業者の中でも屈指の水準ですので、安全性の高いファンドを探したい投資家には魅力のあるサービスではないでしょうか。
最後に
ここまでTREC FUNDINGの魅力と留意点をご説明しました。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。
TREC FUNDINGは不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
TREC FUNDINGは、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「TREC FUNDING」についても当然、サービス提供事業者・ファンド運営者ともに国土交通省と金融庁の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(トーセイ株式会社:金融庁長官・国土交通大臣第102号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。