名古屋エリアに強い「みらファン」はインカム型中心の安定ファンドだが、決算チェックも推奨
「みらファン」とは?
2022年12月のサービス開始以降、19ファンドを募集し、既に12ファンドで運用を終了した実績を持つ不動産クラウドファンディングサービスです。
運営事業者が名古屋の不動産会社ということで、
対象不動産は名古屋・東海エリアが中心となっており、首都圏や関西の不動産に投資している投資家にとっては、エリア分散効果があります。
当初のファンドは
劣後出資比率20%が確保されており、仮にファンド運営において20%の損失が生じた場合にも、投資家の元本が保護されるファンド設計となっていましたが、
19号では融資併用のため、総事業費に対する劣後出資比率が10%程度となっており、融資併用型などの場合に注意は必要そうです。
ファンドタイプはインカム型が中心となっており、
取り扱う不動産が古めではあるものの、インカム型としては劣後出資比率を確保することで安全性にも配慮されたバランスの良いファンドが多い点はサービスの魅力です。
「みらファン」は不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
「みらファン」は、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「みらファン」についても当然愛知県知事の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(株式会社みらいアセット:不動産特定共同事業 愛知県知事 第3号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
「みらファン」を他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
利回りは平均を若干下回りますが、劣後出資比率は業界平均を若干上回っています。
みらファンで扱う不動産は開発型(キャピタルゲイン型)と比べてリスクの低いインカム型中心となっていますので、安全性は平均より高めと見て問題ありません。
リスクとリターンのバランスが良いサービスと言えます。
みらファン ファンド提供状況
| 項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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| 利回り
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5.6%
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6.2%
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6.47%
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| 劣後出資比率
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17.6%
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24.9%
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18.66%
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| 組成件数
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4件
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19件
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-
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| 資金調達額
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3億7,040万円
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17億5,166万円
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-
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| 運用終了額
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-
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7億490万円
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-
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※2025年7月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選36サービス」の平均値です。
「みらファン」のサービスの魅力、特徴
「みらファン」の魅力、特長を上げると、以下のポイントとなります。
「みらファン」の魅力、特長
- 利回りは若干平均水準を下回るものの、インカム型×劣後出資比率20%と高めの安全設計が多い
- リスクとリターンのバランスが良いファンド
- 名古屋・東海エリアの不動産が中心となるため、エリア分散効果も期待可能
「みらファン」を運営する「株式会社みらいアセット」とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、「みらファン」を運営する「株式会社みらいアセット」をチェックしてみましょう。
「株式会社みらいアセット」の基本情報
2004年設立の不動産会社ですが、株式会社みらいホールディングスの100%子会社として設立されており、グループ内ではM&A支援やマンスリーマンション・シェアハウスの管理運営、ホテル運営など、不動産や資産管理に関する多様な業務を扱っています。
「株式会社みらいアセット」の決算情報チェック & 業界平均との比較
まず、当サイトに掲載している「株式会社みらいアセット」の決算をご覧ください。
運営企業の財務の健全性があらわれる「BS」を見ると、
自己資本比率が50%超から8%弱まで大きく低下しています。
これは、不動産クラウドファンディングを活用して運用資産を増加させていることが大きいです。
インカム型ファンドが中心のため、対象ファンドの収益性が維持できていれば、売却ができない、といった事態はよほど市場動向が変化しない限り過度な心配はいらないのでは、と思います。
気になる点としては、
「コンテナモジュール型ホテル」だけで5ファンドも組成しており、この物件の売却に苦戦するようなことがあれば、保有資産に占めるリスクアセットの比率がぐっと高くなってしまう点でしょう。
今のところ、
当該ファンドでは運用中であり、まだ無事に売却償還した事例がない状態ですので、しっかり1件1件をさばいて、過度に特定のアセットをBS内に抱えないことを期待したいところです。
今後のファンド組成動向は、要チェック、という感じでしょうか。
運営企業の利益を稼ぐ力があらわれる「PL」を見ても、各種利益率は業界平均を大きく上回っています。
これは、
ファンドがインカム型中心で、不動産を取得して転売するようなケースが少ないことで、相対的に売り上げが抑制されていることが要因です。
この数字ではなんとも言えず、
今後、ファンドの償還売却(特にコンテナモジュールホテル)時にしっかり利益確保ができることを確認できて、初めて安心できるという状態に見えますので、今後の動向は要チェック、という感じでしょうか。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
まとめ:「みらファン」とは?
ほどのどの利回りが得られる「インカム型×劣後出資比率高め」のバランスの良いファンドを提供するサービスです。
名古屋エリアへの分散投資効果もあり、投資先候補のひとつとしての魅力のあるサービスではないでしょうか?
最後に
ここまで「みらファン」の魅力と留意点をご説明しました。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。