TORCHESとは?
2025年11月に登場した不動産クラウドファンディングサービス(※)です。
TORCHESを運営するTORCHES株式会社は、
ヤマワケエステートのファンドに多数の物件を供給してきたエムトラスト株式会社の100%子会社であり、不動産クラウドファンディングに適した事業用地(いわゆる素地)の取り扱いや、戸建て住宅の建築に関する豊富なノウハウを持っていることが期待できます。
主な取扱いファンドと想定される
「開発型ファンド」は、賃料ではなく、対象不動産の売却益を元に配当するため、例えば建築費の高騰や市況の悪化などがあった場合には配当が得られない他、元本が棄損する可能性もあります。
その分、賃料を原資に配当する「インカム型ファンド」と比べて高い配当利回りが設定しやすいファンドとなっており、
初回組成されたファンドはどれも想定利回り10%を超えるハイリターン型ファンドとなっています。
開発リスクがある分、高いリターンも狙える「ハイリスクハイリターン型」ファンドとみると良いでしょう。
初回組成されたファンドを見る限り、「優先劣後構造」で、
劣後出資比率10%を確保されていますが、ファンド組成手数料が優先出資額の10%と、総事業費の9%相当が手数料として事業者に支払われることになります。ファンドに残るのは総事業費の1%相当となりますので、一見して見える「劣後出資比率10%」として投資判断するのではなく、
劣後出資比率は1%相当であり、1%以上対象事業で損失が出れば投資家の元本が棄損するリスクがあるファンド、という見方をする必要があるでしょう。
※不動産クラウドファンディングサービスは、不動産特定共同事業法に基づき提供される不動産投資から得られる利益を原資に配当、元本償還を行う投資商品です。
不動産クラウドファンディングサービス共通の特徴については記事後半で解説します。
TORCHESを他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
TORCHESのファンドの
想定利回りは平均10%を超えており、業界平均と比べて高い想定利回りとなっています。
劣後出資比率は10%となっているものの、ファンド組成手数料が優先出資額の10%と、総事業費の9%相当が手数料として事業者に支払われることになります。ファンドに残るのは総事業費の1%相当となりますので、一見して見える「劣後出資比率10%」として投資判断するのではなく、
劣後出資比率は1%相当であり、1%以上対象事業で損失が出れば投資家の元本が棄損するリスクがあるファンド、という見方をする必要があるでしょう。
ファンド組成頻度はまだ始まったばかりで見えませんが、親会社であるエムトラストの物件取扱い規模に加えて、自らの100%子会社で新たにサービスを開始した経緯も考慮すれば、安定的なファンド組成も期待できそうです。
TORCHES ファンド提供状況
| 項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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| 利回り
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10.1%
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10.1%
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6.71%
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| 劣後出資比率
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10%
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10%
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18.18%
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| 組成件数
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4件
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4件
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-
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| 資金調達額
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11億1,681万円
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11億1,681万円
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-
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| 運用終了額
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-
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0円
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-
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※2025年11月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選42サービス」の平均値です。
TORCHESのサービスの魅力、特徴
現時点では「想定」になってしまいますが、これまでのヤマワケエステートへの物件供給実績も踏まえて、サービスの特徴は以下のようになると想定します。
TORCHESとは
- 素地転売や開発、戸建分譲型を中心としたハイリスクハイリターン型ファンド
- その上で、劣後出資比率10%で投資家の元本棄損リスクを抑制
- 親会社であるエムトラスト社の豊富なノウハウと物件供給力で投資機会大
- 親会社の決算開示が無いままだと、事業者の財務健全性がわかりにくいデメリット有り
TORCHESを運営するTORCHES株式会社とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、TORCHESを運営する「TORCHES株式会社」をチェックしてみましょう。
TORCHES株式会社の決算情報チェック & 業界平均との比較
当サイトに掲載しているTORCHES株式会社の決算を確認しましょう。
まず、事業者の稼ぐ力が現れる「PL」を見ると、これまで、不動産の売買は行っておらず、仲介手数料等、売上原価がかからない事業に特化しています。
この決算を見る限り、これまで事業として不動産の買取再販(転売)は行っていなかったとみるべきでしょう。
次に、事業者の財務の健全性を現れる「BS」を見ると、不動産特定共同事業第一号事業の許可を取得するための要件である資本金1億円以上を確保したのが2024年4月30日時点であり、不特法許可を取得するために増資したという流れでしょうか。
決算を見る限り、エムトラスト子会社として不動産クラファンを始めるまでに、TORCHES株式会社としての企業単独での事業実績として評価できるものはほとんどないと言ってよいでしょう。
実質的に、
エムトラスト株式会社グループとして、エムトラスト株式会社と連携して不動産クラファンや、買取再販事業をこれから開始する企業です。
「今回新たに不動産クラウドファンディングサービスを立ち上げており、今後、ファンド組成規模が拡大していくと、そのファンドの規模分だけ、総資産が膨らんでいくことになります。
当サイトでは、「自己資本比率」を運営事業者の財務の健全性を見る指標として採用していますが、TORCHES株式会社の直近の決算では、不動産はほぼ所有しておらず、純資産がほぼそのまま総資産となっているため、自己資本比率が非常に高い水準となっており、
現時点での財務健全性に関するスコアが高くなっていますが、これは一時的なものであり、今後総資産がどこまで拡大していくか、注視してみていく必要があります。
(初回の4ファンドを運用開始し、対象不動産を取得するだけで自己資本比率は10%を切りますし、仮に1年後の総資産規模が100億円を超えた場合には自己資本比率は1%未満まで低下する可能性があります。)
ただし、TORCHES株式会社はエムトラスト株式会社の100%子会社となっており、実際には、エムトラスト株式会社との連結決算を見ないと、財務の健全性評価は困難です。
不動産特定共同事業法において、ファンド運営者の決算開示義務はあるのですが、100%子会社の場合に連結決算の開示までの義務がないため、現時点では確認ができませんでした。
エムトラスト株式会社が自主的に開示しない限り法規制上の開示義務はありませんので、今後も情報開示がされない場合には、
事業者の財務健全性を連結ベースで実質的にチェックする手段がないという構造になっている点は理解した上で投資判断を行うことが必要です。
TORCHESは倒産隔離がされていない不動産クラウドファンディングサービスですので、
運営事業者が倒産した場合には、運営される全てのファンドが影響を受けることになります。
事業者の信用リスクのチェックができないことは「リスク」であると捉える必要がありますので、各投資家のリスク受容度に応じた分散投資を心がけてください。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
最後に
ここまでTORCHESの魅力と留意点をご説明しましたが、高いリターンを期待したい投資家にとっては、かなり魅力の高いサービスではないでしょうか?
劣後出資比率も10%と投資家保護にも配慮されたファンド組成が期待できますが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、各人のリスク受容度を踏まえた分散投資を意識いただければと思います。
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。
TORCHESは不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
TORCHESは、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「TORCHES」についても当然、サービス提供事業者は徳島県知事の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(TORCHES株式会社:不動産特定共同事業 徳島県 第2号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。