「まにわく」とは?
2023年6月のサービス開始以降コンスタントにファンドを提供し続け、2024.6時点で12本のファンド募集を行い、既に5本のファンドの償還を終えた実績を持つサービスです。
平均想定利回りが7.9%と高い上に、投資家の元本を守る劣後出資比率も平均20%を超えており、利回りと安全性を両立する好条件のサービスとなっています。
運営企業は現物の不動産投資商品の個人投資家向け販売を行っているためか、不動産クラウドファンディングサービスのPRを積極的に行っていないため、不動産クラウドファンディング投資家でもサービスのことを知らない方がいるのではないかと思いますが、これまでに好条件のファンドが多数提供されていますので、投資先候補として確認してみる価値は十分あるのではないでしょうか?
「まにわく」は不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
「まにわく」は、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「まにわく」についても当然、東京都知事の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
( 株式会社新日本コンサルティング:不動産特定共同事業 東京都知事第141号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
「まにわく」を他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
平均利回りが7.9%と不動産クラウドファンディングの中でもかなり高い利回りのファンドを提供しています。
加えて、ファンドでの損失発生時に
投資家の元本を保護する劣後出資比率も平均を上回っており、非常に好条件のサービスと言えます。
扱っている不動産は、運営会社が得意とする区分マンションを保有するインカム型ファンドが中心で、マスターリース契約があるため、空室リスクも抑制されています。
運営会社は区分収益マンションを個人投資家に販売する事業を得意としているため、ファンドで扱った区分マンションを個人投資家に売却するという売却ルートやノウハウも確保している点は、不動産クラウドファンディング投資家にとっても安心感が高いのではないでしょうか。
まにわく ファンド提供状況(2025.6時点)
項目
|
直近6カ月
|
累計
|
全サービス平均
|
利回り
|
7.9%
|
8%
|
6.14%
|
劣後出資比率
|
24.3%
|
23.3%
|
19.46%
|
組成件数
|
7件
|
12件
|
–
|
資金調達額
|
2億10万円
|
3億3,570万円
|
–
|
運用終了額
|
–
|
1億2,630万円
|
–
|
※2024年6月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選25サービス」の平均値です。
「まにわく」のサービスの魅力、特徴
「まにわく」の魅力、特長は以下のポイントとなります。
募集額が少額なため投資希望者が増えると投資チャンスが減ってしまう懸念はあるものの、それ以外の点では目立って悪い点は見当たらない、好条件なサービスです。
「まにわく」の魅力、特長
- 区分マンションを対象としたインカム型ファンド&賃料補償有り&劣後出資比率も高い安全設計のファンドを提供
- 利回りも不動産クラウドファンディングの平均を大きく上回り、想定利回りの平均は7.9%
- 運営企業が得意な区分マンションを中心に扱っており、ノウハウ面での不安も無し
- ファンドの組成頻度も6月間で7ファンドと安定しているが、募集額が少額のため人気が高まると投資機会が減少する可能性も?
「まにわく」を運営する「株式会社新日本コンサルティング」とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、「まにわく」を運営する「株式会社新日本コンサルティング」をチェックしてみましょう。
「株式会社新日本コンサルティング」の基本情報
2005年設立の不動産会社と、20年近い社歴を持つ不動産会社です。
不動産投資家向けに区分マンションの販売を行う他、賃貸管理や原状回復工事など、現物不動産に投資する個人投資家にとって必要なサービスをワンストップで提供しています。
不動産クラウドファンディングのサイトについても、現物不動産投資を行う投資家向けを意識してメリットを訴求しており、現物不動産投資家に向けたサービスとすることを意識しているようです。
こういった業態では、「不動産投資家の情報を集めたい」というニーズがあるため、不動産クラウドファンディングサービスの運営を通じて、不動産投資に関心が持つ会員層を確保したい、といった狙いを持っているかもしれません。
運営企業情報
項目
|
情報
|
運営企業名
|
株式会社新日本コンサルティング
|
代表者
|
代表取締役 籾山敦輝典
|
住所
|
東京都中野区弥生町2-4-9ツナシマ第三ビル5階
|
TEL
|
0120-502-401
|
会社設立
|
2005年07月21日
|
「株式会社新日本コンサルティング」の決算情報チェック & 業界平均との比較
まず、当サイトに掲載している「株式会社新日本コンサルティング」の決算(2024.6時点)を見てみましょう。
運営事業者の財務の健全性があらわれる「BS」を見ると、投資用不動産を保有する業態でありながら、保有資産に対する純資産額を手厚く確保しており、自己資本比率は業界平均を大きく超えています。
運営事業者の利益を稼ぐ力があらわれる「PL」を見ると、経常利益率は業界平均を下回っており、かつ、重要な指標である「売上総利益」が開示されておらず判断が難しいですが、毎期しっかり利益を確保し、純資産を積み増していることが確認できます。
不動産会社は決算期末に手元不動産を売却して資産規模を減らすケースも多いですが、不動産会社で問題になるのは売れ残った不良資産を大量に抱えるケースですので、しっかり仕入れた不動産が売却できているというのは悪い状況ではありません。(資産規模に対して売上が倍近い水準ということは、在庫の回転も早い状況と言えます。)
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
株式会社新日本コンサルティング 決算情報(BS)
項目
|
2023年03月31日
|
2022年03月31日
|
2021年03月31日
|
全サービス平均
|
総資産
|
11億4,614万円
|
9億802万円
|
8億376万円
|
–
|
純資産
|
6億3,391万円
|
6億3,771万円
|
6億3,231万円
|
–
|
自己資本比率
|
55.31%
|
70.23%
|
78.67%
|
21.38%
|
運用中資産規模 AUM(※)
|
1億8,400万円
|
–
|
–
|
–
|
AUM÷純資産
|
0.29
|
–
|
–
|
8.02
|
現預金
|
–
|
–
|
–
|
–
|
現預金比率
|
–
|
–
|
–
|
8.97%
|
※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
株式会社新日本コンサルティング 決算情報(PL)
項目
|
2023年03月31日
|
2022年03月31日
|
2021年03月31日
|
全サービス平均
|
売上高
|
20億6,498万円
|
18億6,472万円
|
20億2,759万円
|
–
|
売上総利益
|
–
|
–
|
–
|
–
|
売上総利益率
|
–
|
–
|
–
|
18.08%
|
営業利益
|
–
|
–
|
–
|
–
|
営業利益率
|
–
|
–
|
–
|
3.26%
|
経常利益
|
2,557万円
|
1,023万円
|
1億1,630万円
|
–
|
経常利益率
|
1.24%
|
0.55%
|
5.74%
|
1.8%
|
※2024年6月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選25サービス」の平均値です。
まとめ:「まにわく」とは?
高い想定利回りを設定しているにも関わらず、インカム型で賃料補償のついた物件を扱い、劣後出資比率も高いという、高利回りと安全性を両立するサービスです。
運営企業の自己資本比率も高く、非常にバランスの良いサービスです。
管理人は、運営企業の業態から、現物不動産投資家向けにサービスを位置付けているのかもしれませんが、不動産クラウドファンディング投資家の中での認知度はあまり高くないように思いますので、「好条件のファンドに投資できるねねらい目のサービス」として、分散投資先候補としたいと思います。
最後に
ここまで「まにわく」の魅力と留意点をご説明しました。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。
鈴木 万里夫(仮)
株式投資歴20年以上を経た後、株式・投資信託との分散投資先として不動産クラウドファンディング投資をスタート。
不動産クラウドファンディング投資実績10ファンド / 1,000万円以上。今後もコンスタントに年間10ファンド程度に分散投資を継続予定。
投資検討のために自身が欲しい情報を集約できる投資サポートサイトとしてInvestor’s EYEを企画し、現在管理人として運営中。
【保有資格】 不動産証券化協会認定マスター / 宅地建物取引士