九州・アジア・ファンディングとは?
2024年12月のサービス開始したものの、当初の任意組合型ファンドの償還を2025年8月に完了し、2026年2月に3号ファンドの募集となった不動産クラウドファンディングサービス(※)です。(2号ファンドは募集が順調に進まず組成見送りとなった模様で、3号ファンドが実質2号ファンド)
運営会社は福岡エリアで不動産の仲介や買取再販、不動産管理を行う事業者であり、3号ファンドは区分所有マンションの再販型ファンドとなっていることから、本業でのノウハウを活用したファンド組成が期待できそうです。
また、不動産クラファンでは地方部を除くと首都圏の物件が多くなっていますが、本サービスでは福岡エリアの物件に投資できますので、投資先のエリア分散が可能です。
なお、運営会社は不動産共同事業の1号・2号事業に加えて3号・4号事業の許可も取得しており、倒産隔離スキームでのファンド組成も可能な企業となっています。
3号・4号事業は金融庁・国土交通省の審査、監督を受けています。
倒産隔離スキームのファンド組成には、SPCの組成・運用費用や会計士や税理士等の報酬や決算に関わる費用も必要となるため、ある程度ファンドの募集額が大きくないと投資家への十分な配当支払いができない構造となりますので、事業者のこれまでの事業経歴や事業規模、不動産クラファンで可能な資金調達規模を考えるとすぐには倒産隔離スキームのファンドが出てこない気がしますが、数年後には、倒産隔離スキーム型ファンドの組成が開始される期待も持てそうです。
※不動産クラウドファンディングサービスは、不動産特定共同事業法に基づき提供される不動産投資から得られる利益を原資に配当、元本償還を行う投資商品です。
不動産クラウドファンディングサービス共通の特徴については記事後半で解説します。
九州・アジア・ファンディングを他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
現時点では累計1ファンド、匿名組合型ではファンド目の組成のため、今後の動向次第で大きく傾向が変わるかもしれませんが、現時点では高めの利回りで劣後出資比率も10%とそれなりの水準を確保した好条件ファンドと言えそうです。
ファンドで扱うアセットも、運営事業者が本業で一定の実績を蓄積している区分所有マンションの買取再販事業となっており、立地も良いため、流動性面での懸念も大きくない点は魅力があるのではないでしょうか。
九州・アジア・ファンディング ファンド提供状況
| 項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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| 利回り
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10%
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8.1%
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6.84%
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| 劣後出資比率
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10%
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10%
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17.2%
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| 組成件数
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1件
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2件
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–
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| 資金調達額
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4,500万円
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6,600万円
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–
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| 運用終了額
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–
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2,100万円
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–
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※2026年2月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選46サービス」の平均値です。
九州・アジア・ファンディングのサービスの魅力、特徴
九州・アジア・ファンディングの特徴、魅力は以下の通りです。
九州・アジア・ファンディングとは
- 運営会社の本業ノウハウが活用可能なファンドに投資可能
- 福岡エリアに分散投資可能
九州・アジア・ファンディングを運営する九州・アジア・パートナーズ株式会社とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、九州・アジア・ファンディングを運営する「九州・アジア・パートナーズ株式会社」をチェックしてみましょう。
九州・アジア・パートナーズ株式会社の基本情報
創業15年を超える老舗の不動産会社です。
後述する決算を見る限り、これまでは地道に事業を継続してきたようで、純資産や総資産を大きく積み上げてきた、というよりは、小さい規模で堅実に事業を継続してきた、という企業です。
現在は不動産特定共同事業法の1号・2号・3号・4号事業の他、金融商品取引法の投資助言業や第二種金融商品取引業なども取得しており、創業当初時期から一棟マンションの投資助言受託を行っています。
とはいえ、これまでのメイン事業は不動産の仲介や買取再販業、不動産の賃貸管理業となっており、不動産クラファンにも取り組む「地域の歴史のある中小不動産会社」、とみるのが良さそうです。
運営企業情報
| 項目
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情報
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| 運営企業名
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九州・アジア・パートナーズ株式会社
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| 代表者
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小城 雅弘
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| 住所
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福岡市中央区天神2丁目14番2号 福岡証券ビル2階
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| TEL
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092-791-3787
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| 会社設立
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2008年04月01日
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九州・アジア・パートナーズ株式会社の決算情報チェック & 業界平均との比較
まず、当サイトに掲載している九州・アジア・パートナーズ株式会社の決算(2026.2時点)を見てみましょう。
運営企業の財務の健全性が見える「BS」を見ると、自己資本比率は20%を超えており一定の健全性を維持しているようです。
ただし、創業15年を超えて積み上げた純資産規模は2.9億円に留まっており、不動産クラファンで巨額のファンドを乱発すれば、あっと言う間に自己資本比率が低下しうる規模ですので、今後のファンド組成動向を見ていく必要があるでしょう。(不特法1号事業者の最低資本金は1億円です)
次に運営企業の稼ぐ力が見える「PL」を見ると、売上も利益もかなりムラがあるようです。
2024年は在庫を回転させて、総資産を膨らませずに売上と利益を確保していますが、2025年は在庫は積み上がる一方、売上高が低迷し、利益額も減少しています。
買取再販業については、事業内容により再販までの期間が異なるため、仕入れタイミングにより売上や在庫のムラはどうしても出てしまう面もありますので一概に悪いとも言えないのですが、2025年に増加した在庫が不良在庫である可能性がゼロではないという可能性も考慮はしておく方が望ましいでしょう。
ただし、そういった「ムラ」が有る中、しっかり経常黒字を確保しているため、過度に悪い見方をする必要もないでしょう。(企業経営者の立場になれば、銀行や取引先の姿勢悪化を避ける上では、最低限黒字決算にしたいと考えますが、非上場企業であれば、過度に利益確保に拘泥する必要もありませんので。)
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
九州・アジア・パートナーズ株式会社 決算情報(BS)
| 項目
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2025年03月31日
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2024年03月31日
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2023年03月31日
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全サービス平均
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| 総資産
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14億3,015万円
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7億2,398万円
|
5億4,897万円
|
–
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| 純資産
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2億9,001万円
|
2億3,954万円
|
1億6,958万円
|
–
|
| 自己資本比率
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20.28%
|
33.09%
|
30.89%
|
24.85%
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運用中資産規模 AUM(※)
|
4,500万円
|
–
|
–
|
–
|
| AUM÷純資産
|
0.16
|
–
|
–
|
8.2
|
| 現預金
|
–
|
–
|
–
|
–
|
| 現預金比率
|
–
|
–
|
–
|
9.66%
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※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
九州・アジア・パートナーズ株式会社 決算情報(PL)
| 項目
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2025年03月31日
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2024年03月31日
|
2023年03月31日
|
全サービス平均
|
| 売上高
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9億9,959万円
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17億9,024万円
|
6億2,590万円
|
–
|
| 売上総利益
|
3億2,303万円
|
4億6,809万円
|
2億191万円
|
–
|
| 売上総利益率
|
32.32%
|
26.15%
|
32.26%
|
26.02%
|
| 営業利益
|
4,039万円
|
2億1,819万円
|
2,618万円
|
–
|
| 営業利益率
|
4.04%
|
12.19%
|
4.18%
|
6.45%
|
| 経常利益
|
1,823万円
|
1億9,752万円
|
712万円
|
–
|
| 経常利益率
|
1.82%
|
11.03%
|
1.14%
|
3.94%
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※2026年2月時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選46サービス」の平均値です。
まとめ:九州・アジア・ファンディングとは?
まだファンド組成実績が少なくなんとも言えませんが、運営企業は九州エリアで買取再販事業を地道に積み上げてきた企業であり、それなりのノウハウ蓄積が期待できます。
3号ファンドでは好立地の区分所有マンションの買取再販事業で想定利回り10%という好条件ファンドを組成していますので、今後への期待も込めて、分散投資先候補に加える余地はあるのではないでしょうか。
特に首都圏の物件への投資比率が高い方にとっては、エリア分散効果も得られる、良い分散投資先候補の一つになります。
最後に
ここまで九州・アジア・ファンディングの魅力と留意点をご説明しました。まだ、サービス開始当初で今後どのような傾向のファンドが組成されるか見通せない部分はありますが、エリア分散投資が可能な点からも、投資先候補のに加える余地はあるのではないでしょうか。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。
九州・アジア・ファンディングは不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
九州・アジア・ファンディングは、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「九州・アジア・ファンディング」についても当然、金融庁長官・国土交通大臣の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(九州・アジア・パートナーズ株式会社:不動産特定共同事業 金融庁長官・国土交通大臣 第130号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
鈴木 万里夫(仮)
株式投資歴20年以上を経た後、株式・投資信託との分散投資先として不動産クラウドファンディング投資をスタート。
不動産クラウドファンディング投資実績10ファンド / 1,000万円以上。今後もコンスタントに年間10ファンド程度に分散投資を継続予定。
投資検討のために自身が欲しい情報を集約できる投資サポートサイトとしてInvestor’s EYEを企画し、現在管理人として運営中。
【保有資格】 不動産証券化協会認定マスター / 宅地建物取引士