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わかちあい滋賀湖南は総資産に対する借入比率75%超、劣後出資比率2.35%となっている点に注意

【2024-05-28】
評価
不可

不動産ファンドとしてはかなり高い融資調達比率のため、「安全性の高いインカム型」とは言い難い

ファンドの基本情報としては、1995年築と2013年築のアパートを投資対象として、想定利回り5.3%のインカム型ファンド、と、一見インカム型ファンドとして一般的な条件に見えるファンドなのですが、中身を見ていくとリスクとリターンのバランスが悪いと感じたため解説します。

今回のファンドはインカム型ですが、物件購入価格の75%以上を融資で調達する(=LTV:Loan to Value75%以上)ファンドとなっています。
正直、LTV75%というのはかなり高い水準です。

上場市場で売買できる不動産ファンド「J-REIT」でも、レバレッジを効かせて投資家配当を高めるために融資を活用しますが、LTV水準は比較的リスクの低い住居系ファンドでも50%程度までのケースが一般的です。
J-REIT.jpに上場REITのLTV分布が掲載されていましたので、ご覧ください。



(出展)J-REIT.jp マーケット概況より
投資家としては融資によるレバレッジで高いリターンが得られさえすれば良いわけではなく、融資によるリスクも踏まえ、リスクとリターンのバランスをとったファンドを求めますので、過度なレバレッジをかけたファンドは市場で流通していない、という状態です。
本ファンドは市役所が近いなどの環境条件が良いとはいえ、駅から徒歩14分のアパート投資としてはかなりとんがった資金調達構造のファンドと言えます。

融資によるレバレッジの負の側面

融資でレバレッジを効かせる狙いは、出資者(投資家、ファンド運営事業者)の期待利回りを高めることです。
では、なぜJ-REITではレバレッジを50%未満に抑えているのでしょう?

それは、レバレッジを効かせることで期待リターンが大きくなる分、リスクも大きくなるためです。
金融機関は不動産に第一位の抵当権を設定しており、優先的に金利や元本の返済が必要になります。
投資家への元本償還は金融機関への利払いや元本返済より後になりますので、ファンドで損害が発生した場合の投資家の損失が大きくなります。

以下に「損失5%」「損失10%」「損失20%」時の投資家の元本の棄損額を計算していますので、「負のレバレッジ」が出る構造をご確認下さい

■5%の損失発生時の出資者への償還額
資金調達 清算時の償還金額 備考
融資 130,000,000 132,340,000 優先順位1位のため満額返済
優先出資
(投資家)
36,000,000 29,160,000 元本を19%棄損
劣後出資 4,000,000 0 元本を全て棄損
合計 170,000,000 161,500,000 5%損失発生時

■10%の損失発生時の出資者への償還額
資金調達 清算時の償還金額 備考
融資 130,000,000 132,340,000 優先順位1位のため満額返済
優先出資
(投資家)
36,000,000 20,660,000 元本を42%棄損
劣後出資 4,000,000 0 元本を全て棄損
合計 170,000,000 153,000,000 10%損失発生時

■20%の損失発生時の出資者への償還額
資金調達 清算時の償還金額 備考
融資 130,000,000 132,340,000 優先順位1位のため満額返済
優先出資
(投資家)
36,000,000 3,660,000 元本を89%棄損
劣後出資 4,000,000 0 元本を全て棄損
合計 170,000,000 136,000,000 20%損失発生時

では、ここまでレバレッジを効かせて、投資家への配当性向はどの程度高まっているか、チェックしてみましょう。

収支検証を踏まえたファンドの評価

今回の対象物件では、税金や修繕費などの情報がなかったため、賃料収入の20%を経費と仮置きして収支シミュレーションを実施してみます。
もともとの物件の表面利回りが5.4%(マスターリース適用後)で、投資家への配当水準が5.2%ということで、やはり、融資により効かせたレバレッジで投資家に配当を上積みする分より、事業者の取り分の拡大幅が大きいという試算結果になりました。

もちろん、詳細なシミュレーションではないため差分は生じると思いますが、LTV75%で効かせたレバレッジ分を投資家配当にまわす比率より、運営事業者の取り分の方が高めになっているファンド、というのが管理人の評価としました。

■対象物件の募集賃料情報
融資 130,000,000 Loan to Value 76.5%
優先出資 36,000,000
劣後出資 4,000,000 総資産の2.35%
合計 170,000,000

■対象物件の収益力想定
購入額 170,000,000
年間賃料 9,104,436
表面利回り 5.4%

■ファンド収支(想定)
賃料収入 9,104,436
支払金利 2,340,000 金利1.8%
投資家配当 1,908,000 配当利回り5.2%
諸経費(想定) 1,820,887 賃料収入の20%と大胆に想定
残額:事業者取り分 3,035,548 出資金に対する利回り70%超?

なお、最後に若干だけフォローを。

金融機関が高めの掛目(LTV)で、かつ1.9%程度の金利で融資をしてくれるということは、対象不動産の価値は金融機関の査定でもそれなりの評価が得られたということです。
対象不動産の運営で20%の損失が生じるリスク自体が高いとは言えませんので、投資家が大きな損失を負うのは災害の発生や想定外の経済情勢や周辺環境の変化、運営事業者の倒産など限定的なケースではあるとみてよいでしょう。

投資判断は人それぞれに異なりますので、想定利回り水準と劣後出資比率、融資によるレバレッジリスクを踏まえてリスクとリターンのバランスに納得された投資家が投資された方は投資をご検討下さい。

ファンドの魅力

・継続的なファンド提供を予定されており、今回の出資者は次回優先出資可能
 → インカム型ファンドへの長期運用志向の方には適した商品

留意点

・2棟(1棟は2013年築、1棟は1995年築)の鉄骨造と木造アパート/JR草津線石部駅から徒歩15分と、立地は良好とまでは言えない
・スーパー徒歩6分など住環境は悪くなく、満室稼働が継続とのこと
・融資併用型のため、総事業費1.73億に対する劣後出資比率は2.35%とかなり低い水準
 LTV(LoanToValue)75%水準のレバレッジをかけたファンドであることを考えると、利回りが十分とは言い難い

ファンド基本情報

わかちあい滋賀湖南
わかちあい滋賀湖南
ステータス 運用中
想定利回り 5.2%
募集期間 2024-05-31 09:00:00~
1970-01-01 00:00:00
運用期間 12ヵ月(2024-07-01~2025-06-30)
募集方式 先着式
タイプ インカム
募集額 3,600万円
劣後出資額 400万円
融資調達額 1,300万円
出資総額 1億7,000万円
劣後出資比率 2.35%

対象不動産情報

物件タイプ1 一棟収益
物件タイプ2 レジ
権利 所有権
建築年月 2013-02-00
物件情報 ・JR草津線石部駅から徒歩15分のアパート
・アパート2棟で、1棟は2013年築、1棟は1995年築
固有リスク

ファンド運営事業者情報

サービス名称 わかちあいファンド
事業者名 株式会社日本プロパティシステムズ
住所 滋賀県大津市島の関1-10
TEL 077-511-5281
上場有無 非上場
純資産 1億6,700万円
自己資本比率 3.84%
経常利益 4,100万円
経常利益率 1.79%
決算年月 2024-03-31

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