「TAMBO 名古屋 栄 商業ビルプロジェクト」の概要
名古屋市営地下鉄東山線・名城線「栄」駅から徒歩5分という好立地の商業ビルを取得し、バリューアップすることで売却益を確保し、配当をめざすキャピタルゲイン型ファンドです。
バリューアップのために大きく2つの取組を実施します。
①遵法性の確保
本不動産は建築基準法、消防法に抵触する状態となっているため、不動産の買い手が制限されたり、銀行融資がつかないなどの課題が生じています。
具体的には、建物の建築、竣工検査後に無断で増築を行った結果、建築基準法で定める容積率を超える状態が生じている他、消防法の基準も守れていない状態になっています。
本ファンドではそれを
再度改修工事等を通じて是正することで、法律に準じた状態に戻すことで、銀行融資がつく状態になり、買い手の選択肢を広げることができます。
②空室率の改善
現在は53.33%もの空室がありますので、修繕や改修を行い、テナントを誘致(リーシング)することで不動産の収益力を向上させることができます。
この事業には当然
一定の知識とノウハウは必要で簡単というわけではありませんが、不動産の買取再販事業では良くあるパターンで、事業内容はわかりやすいのではないでしょうか。
後述する
劣後出資比率の高さで、ファンドにで仮に50%の損失が生じても、投資家の元本が保護される設計となっていますので、この条件で想定利回り9%というのは、かなり好条件と言えそうです。
高い劣後出資比率で、事業リスクから投資家の元本保護を図るファンド設計
少し特殊な点として、本ファンドが取得する不動産は、運営事業者がこれを担保として資金調達するために、抵当権(担保権)が設定される予定となっています。
一般的な不動産クラウドファンディディングサービスでは、ファンド運営事業者ではなく、ファンド(投資家が出資する匿名組合)として資金調達を行うため、融資で調達した資金はファンドの資金として扱われますが、本事業の場合は、事業者の劣後出資資金に融資資金が混在する形となります。
とはいえ、
融資調達分を以下の通り分計しても、実質的な劣後出資比率は57%と非常に高い水準となっています。
一定の知識とノウハウが必要な事業リスクを、高い劣後出資比率でカバーする、かなり好条件のファンド設計と言えるのではないでしょうか。
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金額 |
総事業費比 |
| 優先出資 |
95,000,000円 |
37% |
| 劣後出資(うち事業者負担) |
147,400,000円 |
57% |
| 劣後出資(うち融資調達) |
17,600,000円 |
7% |
| 総出資額 |
260,000,000円 |
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<2025/3/20 12:35 お詫びと訂正について>
2025/3/19の当初記事掲載時、上記融資調達金額を誤って認識し、ファンドの安全性に問題があるとの見解、コメントを記載してしまいました。
初歩的な数字認識誤りにより誤ったメッセージを発信してしまったこと、お詫び、訂正いたします。
気になる点はある?
抵当権付き物件をファンドが取得している
前述の通り、本ファンド(が組成する匿名組合)が取得する不動産を担保に、ファンド運営事業者が融資による資金調達を実施する予定です。
TAMBOの公式サイトにも記載がありますが、債務不履行(金利を払えないなど)が生じた場合には、金融機関が対象不動産に対する抵当権を行使することで、対象不動産を競売にかけられてしまう等のリスクがあります。
多くの融資併用型ファンドでは、ファンドとして、匿名組合勘定内で融資を引くのですが、TAMBOのように、匿名組合勘定ではなく、運営事業者としての融資となることで影響は出るのでしょうか?
結論としては大きな影響はありません。
厳密には、匿名組合勘定内と運営事業者固有の勘定は分別管理されており、もし、運営事業者のキャッシュフロー(資金繰り)が悪化して金利払いができない場合にも、匿名組合のキャッシュを流用することはできません。
そのため、ファンドでは潤沢にキャッシュがあるのに、運営事業者で利払いができず競売にかかってしまう、といったリスクはゼロではありません。
とはいえ、仮にそのような状態が生じた場合、そもそも不特法1号型ファンドでは倒産隔離が実施されていませんので、運営事業者の破綻時にはファンドの財産にも影響が出てしまうため、ファンドとして匿名組合勘定で融資を引いていた場合と、結果としては大きな違いが生じません。
ところで、「他人の抵当権設定がされている(他人の借金の担保にされている)物件を購入する」というのは、実はちょっと違和感のある形で、気になる人がいるかもしれません。
では、なぜ、匿名組合勘定ではなく、運営事業者の固有勘定で融資を受けているのでしょうか?
これは運営事業者の公式な説明がないためあくまで想定ですが、不動産特定共同事業法に基づくクラウドファンディングは、契約条件(約款)は行政の審査で承認されたものに従う必要があります。
一部の都道府県では、「融資併用型約款」や、「開発型約款」を簡単には許可しない事例が実際にあります。
行政としては、一定の実績を積んだ事業者にのみ許可することで投資家の保護を図る、といった考え方になるのかと思いますが、「融資併用型」での許可が得られない場合には、本件のように、「ファンドとして匿名組合勘定内で融資を引く」のではなく、「抵当権の設定された不動産をファンドで取得する」ことで対応が可能になりそうです。
その他に特段、投資家にとって不利益が生じる可能性は管理人には想定できませんでしたので、一旦は気にする必要がないのか、と判断しました。
運営事業者の純資産が1億5,047万円の中、1億4,740万円を本ファンドに投下している
不動産会社にとって、良い物件情報が得られた際の購入余力につながる「手元キャッシュ」は非常に重要なのですが、本ファンドでは、運営事業者が高い劣後出資比率を投下します。
なんと、
純資産が1億5,047万円の中、1億4,740万円を本ファンドに投下する、という、大盤振る舞いですが、では、運営事業者の手元キャッシュや財務に影響は出ないのでしょうか?
注意点として、不動産特定共同事業法では、ファンドの財産は分別管理義務があり、運営事業者固有のキャッシュが不足しても、ファンドに投下しているキャッシュを引き出すことが禁じられています。
前述のとおり、運営事業者において債務不履行があれば本ファンドの不動産が競売にかけられるリスクがあるのですが、その心配はないのでしょうか?という懸念点を確認しましょう。
結論としてはリスクはゼロではありませんが、TAMBOの特長としては、
これまでのところ、運営事業者の総資産を拡大せずに事業を行ってきています。
不動産クラファンに力を入れる事業者は、どうしても純資産に比べて総資産が膨らみ、自己資本比率が悪化していく傾向があるのですが、TAMBOではクラファンサービス開始後も拡大させていません。
今後については断定できませんが、
もし運営事業者が総資産規模を拡大させていく意向であれば、本ファンドではもっと劣後出資比率を下げて、キャッシュ余力を残すことで、今後のファンド組成余力を高めていくという方法を取ることもできます。
そういった手段を取らず、
本ファンドに高い比率での劣後出資金を投下している点からは、高い投資家保護姿勢を管理人としては感じました。
正直、BS/PLを見る限りは今後大きな不動産を取得する方向であれば財務面の不安を感じますが、これまでも総資産を拡大させずに黒字決算を出せていることからは、仲介やコンサルなど、総資産を膨らませない事業領域でも収益を得る手段を持っているのではないか、と想定しますので、過度に財務面での懸念を持つことまでは不要ではないでしょうか。
ルーフトップリアルティー株式会社 決算情報(BS)
| 項目
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2024年11月30日
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2023年11月30日
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2022年11月30日
|
全サービス平均
|
| 総資産
|
5億7,265万円
|
8億9,710万円
|
3億3,127万円
|
-
|
| 純資産
|
1億5,047万円
|
1億2,270万円
|
1億1,767万円
|
-
|
| 自己資本比率
|
26.28%
|
13.68%
|
35.52%
|
18.6%
|
運用中資産規模 AUM(※)
|
6,600万円
|
-
|
-
|
-
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| AUM÷純資産
|
0.44
|
-
|
-
|
9.54
|
| 現預金
|
-
|
-
|
-
|
-
|
| 現預金比率
|
-
|
-
|
-
|
8.42%
|
※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
ルーフトップリアルティー株式会社 決算情報(PL)
| 項目
|
2024年11月30日
|
2023年11月30日
|
2022年11月30日
|
全サービス平均
|
| 売上高
|
16億3,349万円
|
10億4,600万円
|
11億1,256万円
|
-
|
| 売上総利益
|
3億1,505万円
|
2億3,670万円
|
2億9,109万円
|
-
|
| 売上総利益率
|
19.29%
|
22.63%
|
26.16%
|
20.78%
|
| 営業利益
|
2,062万円
|
1,389万円
|
3,066万円
|
-
|
| 営業利益率
|
1.26%
|
1.33%
|
2.76%
|
5.32%
|
| 経常利益
|
3,940万円
|
589万円
|
2,353万円
|
-
|
| 経常利益率
|
2.41%
|
0.56%
|
2.12%
|
3.7%
|