利回りだけじゃない、安全性も配慮されたバランス型ファンド
汐留ファンディングは、当サイトの利回りランキング3位の高い利回りをが魅力ですが、いわゆるハイリスク型ファンドとは異なります。
本件も、汐留ファンディングが得意な区分マンションリノベーションを行うもので、仮にファンドの運営が赤字になるようなことがあっても、マンションの価値がゼロになるわけではなく、市場で買いたたかれるような立地でもありません。
こういったリスクがある程度限定されたファンドで想定利回りが8%というのは、かなりの好条件ではないでしょうか?
対象の区分マンションは最寄り駅である都営新宿線船堀駅まで徒歩約20分と駅までの距離はありますが、370mの距離にスーパーがある他、周辺には商店も多く、本マンションのターゲットとなるファミリー層には住みやすい環境となっています。
劣後出資比率も約12%と投資家保護に配慮
本ファンドは優先劣後構造で、ファンドで損失が生じた場合に、まず事業者の劣後出資金が損失を負担します。
そのため、11%程度までの損失が生じても、投資家の元本が守られます。
例えばリノベーション後の区分マンションの想定売却額を11%下げても売却できないケースに投資家の元本が棄損することになりますが、元本が全て失われるのは、運営事業者の倒産時以外には考えにくいでしょう。
運営会社の経営状況も堅実
当サイトのサービス紹介ページで詳しく解説していますが、運営会社の経営も堅実で安心感があります。
決算情報の解説なども実施していますので、詳しくは
こちらのページをご覧ください。
ただし、対象不動産の仕入れ価格に割安感はない
本ファンドの留意点ですが、区分マンションの賃料相場などを確認すると、割安に仕入れられているとは限らない可能性を感じましたので、ラフな資産になりますが、参考にご紹介します。
まず、ファンドの出資募集額4,300万円から、想定利回りである8%の配当を投資家に行うために、必要な配当額を算出すると、304万円の配当が必要という計算になります。
ファンドでの物件購入価格 |
43,000,000円 |
優先出資額 |
38,000,000円 |
想定配当利回り |
8.0% |
運用期間 |
12カ月 |
満額配当時の配当支払い額 |
3,040,444円 |
次に、その配当原資を生み出すために、必要となる不動産売却益を算出します。
以下がラフな試算になりますが、運営事業者にも一定の利益が残る、投資家と事業者がWin-Winの関係になるような水準を検討するなら、4,900万円程度で売却したいところです。
売却価格(売却額) |
49,000,000円 |
物件取得費用 |
43,000,000円 |
売却時媒介手数料 |
1,530,000円 |
売却益 |
4,470,000円 |
投資家配当 |
3,040,000円 |
事業者残利益 |
1,430,000円 |
本ファンドでは現在賃料収入がなく12カ月でファンドを償還する計画のようですので、賃料収入は得られない前提で試算する必要がありそうです。そうすると、4,900万円で売却できれば、投資家に8%の配当を行いつつ、事業者にも応分の利益が残りそうですね。
ただ、周辺の賃料相場を確認すると、相場の賃料水準では、4,900万円の値段がつくだけの収益を得るのは容易ではなさそうです。
以下にラフな賃料や利回りシミュレーションを掲載しますので、参考にご覧ください。
■周辺の賃料相場状況
部屋タイプ、広さ |
募集賃料相場 |
㎡単価 |
76.79㎡ 3LDK |
200,000円 |
2,605円 |
52.24㎡ 2LDK |
107,000円 |
2,048円 |
44.17㎡ 1LDK |
111,500円 |
2,524円 |
募集賃料 ㎡単価平均 |
|
2,392円 |
■周辺の賃料相場を適用した場合の本区分マンションの収益力
想定賃料(月額) |
15,9451円 |
想定賃料(年額) |
191,3410円 |
4,900万円で売却時表面利回り |
3.9% |
上記のようなラフな試算からは、4,900万円で売却した場合、本区分マンションの購入者(実物マンションを所有する投資家)にとっての表面利回りが4%を割ってしまいます。
都心部の築浅マンションであれば4%未満というような表面利回りもありえますが、この築年数、立地であれば、もう少し高い利回り(収益力)が求められますので、この試算では、購入したい投資家がなかなか見つからないことになってしまいますので、実際の事業計画では、賃料の値上げなど、バリューアップが必要になりそうです。
ただ、本件はリノベーションを通じたバリューアップファンドですので、周辺相場より高い賃料で貸せるようなリノベーションプランを検討するほか、実需(実際に住む方)に売却するような見通しがある可能性がありますね。
このあたりのバリューアップ販売は、運営会社である汐留プロパティの手腕にかかっている、という感じでしょうか。
こちらで運営会社の決算について解説していますが、高い利益率で堅実に稼いでいますので、その点も踏まえて投資判断をいただければと思います。