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リゾート開発のリスクと、運営企業のノウハウや実績の重要性について

【2024年6月15日 8:00 PM】

リゾート開発型ファンドでは、運営事業者のノウハウや協業パートナーをしっかり確認したい

2024年6月17日募集開始の「利回り不動産57号ファンド(沖縄県南城市VILLA PJフェーズ1)」は想定利回り10%と大きな注目を集めそうです。
リゾート開発はビジュアルに訴える力が強く人気を集めるようで、2024年春にはトモタクが「RERESO」という新ブランドを設定してリゾートファンドを本格的に組成しだすなど、不動産クラウドファンディングではリゾート開発型ファンドを扱うサービスが今後も増加するのではないでしょうか。

ただし、リゾート開発は、マンション開発やオフィスビル開発のように、対象不動産の立地と周辺相場からだけで単純に宿泊料等の水準を想定することができません。
若干特性は異なりますが、ホテルの宿泊料をイメージしてもらうと、隣接するホテル/同じ部屋タイプでも宿泊料が2倍以上違うようなケースが当たり前に存在していることが確認できると思います。
マンションの賃料ではそこまでの差分はありませんので、リゾート開発ではマンション開発ではないようなリスク要因が生じることになります。
ホテルやリゾート施設はオペレーショナルアセットと呼ばれ、運営の巧拙で収益力が大きく異なってきますので、ファンド運営企業のノウハウが非常に重要になります。
投資判断においては、運営企業や協業パートナーに十分なノウハウや実績があるかを是非確認したいところです。

利回り不動産57号ファンド(沖縄県南城市VILLA PJフェーズ1) トモタクCF65号(RERESO 鎌倉I) わかちあいファンド石垣島第Ⅱ期(二次募集)

若干の懸念点として、不動産会社にとってリゾート開発は、それなりの実績がないと金融機関からの融資がつきにくい一方で高い収益が期待できる物件が手に入るケースもあるため、不動産クラファンで資金調達することで投資家とWin-Winになれると期待するケースがあります。
そのため、今後も不動産クラウドファンディングではノウハウが不十分なままリゾート開発ファンドにチャレンジする事業者が出てくる可能性があるのでは、と管理人は想定しています。

リゾートのノウハウについては、単純に「ある」「ない」とわかれるわけではありませんが、高いノウハウを持つ運営事業者ほどファンドでも高い収益を確保できる確率が高くなると考えますので、運営事業者のノウハウや実績を見ていくことは重要です。

管理人自身はリゾート開発について詳しいとは言えませんが、素人がリゾート開発にチャレンジする際の苦労を少し知っているので、本記事ではノウハウの大切さについてお伝えしたいと思います。

素人の集まりがリゾート開発をやってみるとどうなるか

本記事は、2024年6月17日に募集開始の「利回り不動産57号ファンド(沖縄県南城市VILLA PJフェーズ1)」について管理人が高い評価つけた背景にもなる、ノウハウがないチームの苦労話をご紹介します。

管理人はリゾートには詳しくありませんが、管理人の所属するチームが新規事業開発を所掌する中、未経験のメンバが集まって、リゾート開発にチャレンジすることを企画しました
そのゼロ時提案フェーズから参加していたため、経験や情報不足からくる苦労を見てきました。

まず、立地を元に大まかなコンセプトを作った上で、事業計画の概算設計をしましたが・・・
初期のチームメンバは紆余曲折、大変な苦労がありました。

宿泊/飲食単価が決まらない

事業計画ですから、収入や費用を設定します。
が、住居やオフィスと異なり、近隣の類似物件や、競合比較で価格を設定するような料金設定ができません。(できてもぶれます)

欧米エリアをターゲットするのか、アジアをターゲットとするのかだけでも、平均滞在日数や価格帯も異なってきます。
アクティビティなどそれ以外の収入設定でも収入が大きく変わってきます。

ホテルはオペレーショナルアセットと呼ばれ、運営の巧拙で収益力が全く変わってきますが、ゼロからブランドを立ち上げるリゾートでは、そう簡単に値段設定が定まりません。
結局、もっと多くのことを決めて、最終的に事業計画として詰めていくことになります。
検討すべきことの例をいくつか挙げてみます。

検討事項① どのエリアの、どんな属性の顧客をターゲットとするか?

先ほど欧米、アジアと記載しましたが、同じ欧米でも、国により傾向が異なります。
また、同じ国でも、ターゲットの属性によって、好まれる地域や重視するポイントが異なるようです。

リゾート施設のコンセプトだけではなく、リゾートエリアの特長や魅力を含めてコンセプトを固める必要があります。

検討事項② リゾートエリアの魅力と訴求ポイント、ささる先は?

リゾート施設は、その施設単体のモノでの魅力ではなく、エリアでのコトやトキ体験があって初めて価値を生みます。
地域の隠れた価値を磨き上げてターゲット層に訴求することができれば、事前の想定よりもはるかに高い価格設定でも訪問が期待できるかもしれません。

プロでも見逃すような地域の魅力が発見できれば、不動産を安く買って高い価値を生み出せる可能性もあります。

検討事項③ 顧客を誘致するチャネルは?

海外の富裕層をターゲットにするのであれば、そのターゲットに強いチャネルを用いた顧客開拓が必要です。
どのチャネルを使えるか、選ぶか、などでも収益力が変わってきます。

検討事項④ 食事、ブランド

高級価格帯で売るなら、有名シェフの名前なども武器としたくなります。
ネームバリューだけではなく、体験価値に高い評価を得るためには、実際に訪問者から高い評価をいただき、口コミや再訪を通じてリゾートを盛り上げてもらう上で料理も重要なポイントになります。

もちろん原価率にも響きますし、著名なシェフとの交渉など簡単な話でもありません。

検討事項⑤ 観光スポットやアクティビティとの接続

地域の観光スポットや、アクティビティ施設やイベントへの回遊ルートを確保する必要もあります。
タクシーやレンタカーで回遊してもらう前提でよいのか、配車手配が必要なのか。
今ならシェアサイクルの手配なども選択肢として検討することになるかもしれませんね。

検討事項⑥ リネン交換や清掃オペレーション

地方エリアでは、清掃スタッフの確保も検討しておく必要があります。
快適な館内や室内を保つのは当然必要になりますが、地方部の人不足は深刻です。
メディアなどでも、地方の旅館などが人手不足で部屋を開けている状況などが報じられていますが、清掃などは絶対に必須で欠かせません。

検討事項⑦ 全体の整合をとったコンセプトと事業計画

上記のようなことを同時に検討して、整合性のあるコンセプトと、それに基づいた事業計画(単価設定から収入や費用)を策定する必要があります。
価格帯は、同じ施設でも、2~3倍程度は開きが出る可能性もありますので、前提が変われば全体を見直す必要が出てきます。

つまり:結局必要になる専門ノウハウ

管理人の所属チームでは結局、経験のある人材を中途採用したり、ノウハウを持った企業との協業により事業化までもっていきました。
当該リゾートは無事に最近開業した(管理人は最後までは関与せず)のですが、新規事業チームということで、若干採算度外視、チャレンジ前提(赤字覚悟)で走れた部分があったのでそこまで持っていけた面もあったと思います。

海外のOTA(オンライン・トラベル・エージェント)経験者などが途中参画いただけたことで海外富裕層の特性などが身近に得られようになり検討しやすくなった面もあり、協業だけでなく、やはり社内にノウハウを持つ人材がいることは重要では、と感じました。

不動産クラウドファンディング事業者においてもリゾート開発には固有のノウハウが必要だと管理人は想定しています。
多くの場合は、ノウハウを有するパートナーと組んだり、一定のノウハウを持っているケースがありますが、その巧拙で収益力は大きく異なる可能性があるのではないか、と感じます。

リゾートファンドでは、単純に近隣事例などからリゾートの収益力を想定することは難しく、運営企業のノウハウに依存する部分が大きいため、正直投資には「かけ」の部分が一定程度出てくると管理人は考えています。
運営事業者がこれまでの開発実績や運営実績などを開示してもらえれば、投資の際に是非参考としたいです。

冒頭に紹介した「利回り不動産57号ファンド(沖縄県南城市VILLA PJフェーズ1)」では、運営事業者の運営実績からは、沖縄の類似特性を持つリゾートに適したターゲット(国や属性)、その際の宿泊料や支払い可能総額などのデータも一定持った上で事業計画を立てることは十分できるだろう、と感じました。
また、運営企業である株式会社ワイズホールディングスの決算からは、リゾート運営を継続しながら、しっかり会社として利益確保を継続できていますので、ノウハウと利益を積み上げている実績も確認できます。

リゾートファンドでは是非、こういった情報開示や発信をすることがスタンダートとなっていってほしいと思います。

まとめ

本記事では、「リゾート開発」が住居やビル、商業施設開発と異なる特徴や、運営企業のノウハウが重要であると考える背景について解説しました。

ノウハウはWebサイトの情報だけで全てわかるものではないのですが、実績や確保したパートナーなど、積極的な情報開示をしてくれるサービスが増えていくことを期待したいところです。
管理人個人はどうも、過去の経験もあってかリゾート開発にわくわくしてしまい、リゾートへの投資比率が累計3割を超えてしまっているのですが、一定のリスクもあるファンドタイプですので、投資する際には少し慎重に検討した方が良いと感じています。
とはいえ、リゾート開発に小口投資で参画できるということに魅力を感じる方は、配当利回りだけに限定されない「わくわく感」なども得られると思いますので、分散投資を前提に是非投資検討していきましょう。
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