「Rimple」とは?
2020年3月のサービス開始以降80ファンド以上を組成し、71件が運用終了(2024.6.30時点)している、実績が非常に豊富な不動産クラウドファンディングサービスです。
東証プライム市場に上場していたプロパティエージェント株式会社がサービスを提供しており、同社が提供する
「リアルエステートコイン」を利用できる上、他社サービスでためたポイントを交換して利用することも可能です。
(2024.6.30時点では、セゾンの永久不滅ポイント、ハピタス、モッピー、WILLsCoinとの交換が可能となっています。)
ファンド自体の想定利回りは3%弱と控えめですが、資産価値の下がりにくい好立地の築浅マンションのインカム収入で配当するという安全性の高いファンドです。
加えて、
ファンドの安全性を高める劣後出資比率が30%と、投資家保護を重視したファンド設計となっています。
「Rimple」は不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
「Rimple」は、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「Rimple」についても当然金融庁長官・国土交通大臣の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(プロパティエージェント株式会社:不動産特定共同事業 金融庁長官・国土交通大臣第90号)
※プロパティエージェント株式会社は不特法の3号・4号事業の許可も持っているため、金融庁長官・国土交通大臣の許可となっています。
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
「Rimple」を他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
利回りは控えめですが、劣後出資比率が30%と高く、ファンドの組成頻度も6ヶ月で11ファンドと、毎月1.5回程度の投資チャンスが得られます。
安全性の高い分散投資先という魅力に加えて、投資機会が多く得られるというのも大きな魅力ではないでしょうか。
Rimple ファンド提供状況
項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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利回り
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2.9%
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3.3%
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6.17%
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劣後出資比率
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30%
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30%
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19.48%
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組成件数
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11件
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83件
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–
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資金調達額
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8億871万円
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55億2,464万円
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–
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運用終了額
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–
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46億1,996万円
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–
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※2024年6月30日時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選26サービス」の平均値です。
「Rimple」のサービスの魅力、特徴
サービスの特徴をまとめると、以下のポイントとなります。
「Rimple」の魅力、特長
- 利回りは3%弱と控えめながら、劣後出資比率30%で投資家のリスクを抑制
- リアルエステートコインが使えるため、他社ポイントも利用可能
- ファンド組成頻度が多いため、投資機会が多い
- 運営企業が東証プライム市場上場グループという信頼感
投資したい時になかなか良いファンドが見つからないこともありますが、「Rimple」なら投資機会が多いため、分散投資先候補としておけば、投資先に困るケースが減るのではないでしょうか。
「Rimple」を運営するプロパティエージェント株式会社とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、「Rimple」を運営するプロパティエージェント株式会社をチェックしてみましょう。
プロパティエージェント株式会社の基本情報
プロパティエージェント株式会社は以前は上場していましたが、現在は持株会社体制となり、親会社である「ミガロホールディングス株式会社」が東証プライム市場に上場しています。
「ミガロホールディングス株式会社」は、総合DX企業グループをめざし、顔認証マンション技術を持つ「DXYZ(ディクシーズ)株式会社」などを傘下に持つ企業グループです。
運営企業情報
項目
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情報
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運営企業名
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プロパティエージェント株式会社
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代表者
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代表取締役社長 中西聖
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住所
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東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー41階
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TEL
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0120-764-043
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会社設立
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2001年02月06日
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プロパティエージェント株式会社の決算情報チェック & 業界平均との比較
まず、当サイトに掲載しているプロパティエージェント株式会社の決算(2024.6.30時点)を見てみましょう。
運営企業の財務の健全性があらわれる「BS」を見ると、自己資本比率は平均を若干下回るものの遜色のない水準となっています。
運営企業の利益を稼ぐ力があらわれる「PL」を見ると、利益率は高い水準で、経常利益20億円としっかり利益を確保しています。
東証プライム上場企業グループという安心感も含め、運営企業に対する信用不安は小さいと言えます。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
プロパティエージェント株式会社(ミガロホールディングス株式会社) 決算情報(BS)
項目
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2024年03月31日
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2023年12月31日
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–
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全サービス平均
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総資産
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484億4,649万円
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452億7,091万円
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–
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–
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純資産
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104億5,612万円
|
107億1,990万円
|
–
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–
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自己資本比率
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21.58%
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23.68%
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–
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21.1%
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運用中資産規模 AUM(※)
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8億5,500万円
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–
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–
|
–
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AUM÷純資産
|
0.08
|
–
|
–
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7.7
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現預金
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88億9,814万円
|
80億5,864万円
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–
|
–
|
現預金比率
|
18.37%
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17.8%
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–
|
9.37%
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※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
プロパティエージェント株式会社(ミガロホールディングス株式会社) 決算情報(PL)
項目
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2024年03月31日
|
2023年12月31日
|
–
|
全サービス平均
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売上高
|
426億7,207万円
|
325億1,291万円
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–
|
–
|
売上総利益
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70億7,850万円
|
57億80万円
|
–
|
–
|
売上総利益率
|
16.59%
|
17.53%
|
–
|
19.02%
|
営業利益
|
25億18万円
|
24億4,311万円
|
–
|
–
|
営業利益率
|
5.86%
|
7.51%
|
–
|
4.52%
|
経常利益
|
20億4,201万円
|
21億3,222万円
|
–
|
–
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経常利益率
|
4.79%
|
6.56%
|
–
|
2.93%
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※2024年6月30日時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選26サービス」の平均値です。
まとめ:「Rimple」とは?
利回りは3%弱程度と控えめですが、立地の良い築浅区分マンションの賃料を原資としたインカム型ファンドで、劣後出資比率30%という安全性の高いファンドに投資可能です。
リアルエステートコインが使える他、ファンドの組成頻度も高く、投資機会が多く得られる点もメリットです。
初心者からベテランまで、幅広い層の分散投資先候補となりえるサービスではないでしょうか?
最後に
ここまで「Rimple」の魅力と留意点をご説明しました。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。
鈴木 万里夫(仮)
株式投資歴20年以上を経た後、株式・投資信託との分散投資先として不動産クラウドファンディング投資をスタート。
不動産クラウドファンディング投資実績10ファンド / 1,000万円以上。今後もコンスタントに年間10ファンド程度に分散投資を継続予定。
投資検討のために自身が欲しい情報を集約できる投資サポートサイトとしてInvestor’s EYEを企画し、現在管理人として運営中。
【保有資格】 不動産証券化協会認定マスター / 宅地建物取引士