「利回り不動産」は高利回りと安全性を両立、運営企業も堅実なバランスの良いサービス
2021年4月にサービス開始して以降63件のファンドを組成してきた、不動産クラウドファンディングサービスの中でも、歴史も実績件数もあるサービスです。
あまり派手な宣伝をしているイメージはないのですが、芸能人をイメージキャラクターに起用するなど、サービスの力を入れていることが伺えます。
利回り不動産 サービス紹介画像(2024年7月1日時点)
利回り不動産 ファンド提供状況
項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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利回り
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8.1%
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6.8%
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6.26%
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劣後出資比率
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10%
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10%
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19.52%
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組成件数
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11件
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63件
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–
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資金調達額
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18億8,217万円
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55億879万円
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–
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運用終了額
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–
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26億8,765万円
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–
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「利回り不動産」は不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
「利回り不動産」は、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「利回り不動産」についても当然東京都の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(不動産特定共同事業 東京都知事 第143号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
「利回り不動産」のサービスの魅力、特徴
「利回り不動産」のサービスの特徴を確認する上で、「利回り不動産」のこれまでの実績の確認すると、利回りが高めで劣後出資比率も10%と一般的な水準を確保しており、投資家保護のための安全性を重視しながらも、利回りの高さも両立する、非常にバランスの良いファンドを提供されています。
運用を終了したファンド数も40件を超えており、派手な宣伝をしていないため目立たないかもしれませんが、かなり魅力的なサービスではないでしょうか?
管理人は投資先候補としてかなり魅力のあるサービスだと感じており、サービスの特徴を整理すると、以下のようになります。
「利回り不動産」とは
- 業界平均を超える高めの利回りと安全性を両立する、非常にバランスの良いファンド
- ファンドの組成頻度も月1件ペースと安定しており、投資チャンスも多い
- 「ワイズコイン」という独自のポイントサービスがあり、amazonギフトにも交換可能
- 運営企業の財務もバランスが取れており、ファンドの安全性・運営企業の信用力ともにバランスが良い
ポイントの最後に記載した運営企業の財務については、次の章で触れさせていただきます。
「利回り不動産」は特典やキャンペーンも充実
利回り不動産に投資すると、会員ランクに応じて独自のポイントサービス「ワイズコイン」が受け取れます。
ワイズコインは次回の投資時に使える他、amazonギフトにも交換可能(ただし、2ワイズコインで1amazonギフト)となっていますので、継続的に投資する会員にはもちろん、1回だけお試しで投資する会員にとってもメリットのあるサービスとなっています。
また、会員ランクごとに得られるポイントとは別途、ファンドごとに設定される独自キャンペーンでワインコインが1%プレゼントされるようなケースもあります。

会員ランクは8段階あり、毎月1日の15時時点の運用中残高で決まりますので、継続的に投資する会員ほどメリットが大きい仕組みとなっています。

さらに、期間限定のキャンペーンが実施されている場合があります。
例えば2024年7月時点では新規登録会員限定ながら、かなり大規模なキャンペーンが実施されており、投資額の最大5.6%のワイズコインがもらえます。
会員登録してすぐに500万円を投資する人は限られそうですが、50万円の投資でも5.2%相当の26,000ワイズポイントがもらえますので、もともと条件の良いファンドが多い利回り不動産が、さらに好条件になったと感じる方も多いのではないでしょうか。
■利回り不動産 2024年9月時点でのキャンペーン情報
(利回り不動産 キャンペーン情報 : 2024.5.1~2024.10.31)
「利回り不動産」のスイッチング機能に対応したファンドなら、中長期運用も可能
不動産クラウドファンディングでは「抽選に当たらず好きな時に投資できない」「先着争いに負けると投資できない」という課題がありますが、利回り不動産のインカムゲイン型ファンドの場合、運用期間終了後、再度募集を開始する際に「スイッチング」を行うことで、抽選や先着争いに参加しなくても優先的に再投資が可能です。
スイッチング時にはお金の出し入れの手間もありませんので、投資家にとってはかなり価値の高い機能ではないでしょうか。
「利回り不動産」のリゾートファンドは本業として力を入れている安心感あり
不動産クラウドファンディングでは、リゾートファンドを扱うサービスが増加傾向です。
ただし、リゾート開発や運営は特別な専門性が必要で、運営者の能力次第で収益が大きく変動する「オペレーショナルアセット」運営者のノウハウや運営体制の見極めが重要になります。
運営事業者によっては十分なリゾート開発や運営実績を持たずにファンドを組成しているケースもありますので、注意が必要です。
利回り不動産では、沖縄エリアでの6拠点を中心に他エリアでもリゾート開発、運営実績をもっており、これからリゾートに乗り出すような事業者に比べると安心感が持てます。
関連記事:
リゾート開発のリスクと、運営企業のノウハウや実績の重要性について
(出典:利回り不動産57号ファンド 掲載画像)
「利回り不動産」を運営する「株式会社ワイズホールディングス」とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、利回り不動産を運営する「株式会社ワイズホールディングス」をチェックしてみましょう。
株式会社ワイズホールディングスの基本情報
まず、株式会社ワイズホールディングスの基本情報を確認します。
2014年創業の社歴10年を迎える不動産会社です。
企業ホームページを確認すると、ホテル用地やレジデンス開発の他、不動産仲介やリゾート・レジャー運営や開発を行っているデベロッパーの比率の高い事業構造のようです。
不動産クラウドファンディングでは不動産運営、開発型のファンドを提供していますが、これまで本業の不動産業で培ったノウハウを生かしたファンドを組成しているようですので、ファンド運営に必要なノウハウや業界ネットワークを持っていることを期待できそうです。
運営企業情報
項目
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情報
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運営企業名
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株式会社ワイズホールディングス
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代表者
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代表者 和泉隆弘/萩公男
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住所
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東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 城山トラストタワー33階
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TEL
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03-5843-8874
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会社設立
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2014年08月
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株式会社ワイズホールディングスの決算情報チェック & 業界平均との比較
次に、本ページに掲載している株式会社ワイズホールディングスの決算(2024.9時点)を見てみましょう。
企業の財務の健全性を確認できる「BS」を見ると、自己資本比率が19.82%から10.5%に大きく低下しています。
要因は、利益を上げることで純資産は増加しているのですが、主に固定資産として保有する不動産が増加したことで、総資産規模が28億円弱から54億円弱に大きく増加したことが原因です。
この増分の多くは不動産クラウドファンディングサービス「利回り不動産」で運用中のファンド規模が大きくなってことが背景ですが、増加した資産の多くが「固定資産」ということで、長期的に保有、運用する収益不動産となっています。
保有不動産の多くが「利回り不動産」上で公開されており、高い配当利回りを確保できる収益性のある不動産が多いことから、売却損失が発生するリスクは、流動性リスク(売れない)が高い資産が増加している、という見方をする必要まではないと管理人は感じます。
(保有資産が全く見えないケースや、「棚卸資産」として、開発中や権利調整中の不動産が増加しているケースのように、開発や権利調整が完了するまで流動性に対する制約が大きいわけではありませんので。)
不動産クラウドファンディングではファンドで所有する資産の分総資産額が膨らむため、自己資本比率が低下しがちなのですが、サービス3年目で、これだけのペースでファンドを組成している企業の中では、なお自己資本比率を高い水準に維持しており、企業としてのリスク管理意識が強い企業だと管理人は判断します。
次に、企業が利益を稼ぐ力を確認できる「PL」を見ていただくと、2022年4月決算では当サイトに掲載する不動産クラウドファンディング事業者平均の1.08%を超える経常利益率となっていますが、2023年、2024年4月決算では、利益率がかなり低くなっています。売上高総利益率が2年連続で10%を下回っている点も、決算上は気になる点です。
不動産業者の場合、資産保有時は利益計上が小さく、資産売却タイミングで売却利益が一気に計上されるため、黒字決算が確保できれば無理に利益確定せず保有するようなケースもあるため、黒字の場合の利益額が小さいこと自体が問題というわけではありませんし、利益率は低いが売買価額が大きいような買取再販物件を一つ売買するだけでも利益率は低下しますので、現時点では「気になる」数字ととらえるくらいの状況でしょうか。今後念のためウォッチはしていきたいところです。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
株式会社ワイズホールディングス 決算情報(BS)
項目
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2024年04月30日
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2023年04月30日
|
2022年04月30日
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全サービス平均
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総資産
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53億9,945万円
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27億7,871万円
|
22億6,868万円
|
–
|
純資産
|
5億6,678万円
|
5億5,082万円
|
5億3,300万円
|
–
|
自己資本比率
|
10.5%
|
19.82%
|
23.49%
|
22.37%
|
運用中資産規模 AUM(※)
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23億9,300万円
|
–
|
–
|
–
|
AUM÷純資産
|
4.22
|
–
|
–
|
9.93
|
現預金
|
7億4,953万円
|
–
|
–
|
–
|
現預金比率
|
13.88%
|
–
|
–
|
12.48%
|
※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
株式会社ワイズホールディングス 決算情報(PL)
項目
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2024年04月30日
|
2023年04月30日
|
2022年04月30日
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全サービス平均
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売上高
|
75億965万円
|
80億175万円
|
14億2,019万円
|
–
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売上総利益
|
6億3,067万円
|
4億6,326万円
|
3億9,141万円
|
–
|
売上総利益率
|
8.4%
|
5.79%
|
27.56%
|
18.32%
|
営業利益
|
4億1,743万円
|
1億1,540万円
|
7,985万円
|
–
|
営業利益率
|
5.56%
|
1.44%
|
5.62%
|
4.04%
|
経常利益
|
1,696万円
|
1,810万円
|
5,035万円
|
–
|
経常利益率
|
0.23%
|
0.23%
|
3.55%
|
3.23%
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まとめ:「利回り不動産」について
これまで、「利回り不動産」自身が提供するファンドが、「利回り」と「安全性」のバランスが良く、ファンドの組成「実績」や「頻度」も高いことを確認しました。
また、運営企業である「株式会社ワイズホールディングス」の決算についても、自己資本比率を確保しつつ、しっかり利益も稼げている状況が確認できました。
特出した高い利回りがあるサービスや、派手に広告を出しているサービスのような目立ち方はしていませんが、投資先として有力なサービスだと感じられた方は多いのではないでしょうか?
サービスに興味を持っていただいた方は、公式サイトから会員登録を是非ご検討下さい。
最後に
ここまで「利回り不動産」の魅力と留意点をご説明しましたが、ご覧になった皆さんは、どう感じられましたでしょうか。
当サイトは管理人が実際に投資した、または投資を検討したいサービスだけを掲載していますが、その中でも利回り不動産は、懸念事項が少ない、バランスの良いサービスとなっています。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。