「KORYO Fund」とは?
2022年4月のサービス開始以降16ファンドを組成し、既に8ファンドの償還を完了した実績を持つ不動産クラウドファンディングサービス(※)です。
運営企業の香陵住販株式会社は東証スタンダード市場に上場する投資用アパート開発や不動産管理に強みを持っているため、サービスで取り扱うファンドはこれまで一棟アパートの他、区分アパートやマンションを複数戸まとめてリスク分散を実現したバルク型ファンドとなっています。
運営企業の得意な領域で、かつ、完成物件の安定した賃料をベースに配当するインカムゲイン型ファンドを扱っており、安全性の高い投資先を求める方、投資初心者にお勧めのファンドです。
上場企業運営で、安全性の高さを特長にしたインカムゲイン型ファンドの中では最も高い利回り水準となっており、安全性と利回りを両方追及したい方は分散投資先候補となるのではないでしょうか。
<運営企業である香陵住販株式会社の拠点>
<香陵住販株式会社の扱う投資用賃貸物件「レーガベーネ」>
※不動産クラウドファンディングサービスは、不動産特定共同事業法に基づき提供される不動産投資から得られる利益を原資に配当、元本償還を行う投資商品です。
不動産クラウドファンディングサービス共通の特徴については記事後半で解説します。
「KORYO Fund」を他サービスと比較してみる
まずは、定量的なデータから、他の不動産クラウドファンディングサービスと比較して、サービスの特長や傾向をチェックしてみましょう。
サービス平均と比べると、利回りは低めですが、
投資家の元本棄損リスクを抑制する劣後出資比率が30%と大きく、安全性の高さが特徴のサービスです。
<優先劣後構造の仕組み>
優先劣後構造は不動産クラウドファンディングサービスの魅力の一つで、ファンドで万一損失が生じた場合に、運営事業者が実施する出資分(劣後出資)がまず損失を負担するという仕組みのため、ファンドで30%の損失が生じても投資家の元本が守られることになります。
高利回りのサービスではリスクが高い開発型ファンドが多いですが、KORYO Fundはリスクが抑制されたアパートの賃料から配当を行うインカムゲイン型ファンドを扱っている中、劣後出資比率を30%も確保しているため、安全性がかなり高いサービスと言えます。
KORYO Funding ファンド提供状況
項目
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直近6カ月
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累計
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全サービス平均
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利回り
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4.5%
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4.5%
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6.1%
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劣後出資比率
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30%
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30.6%
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19.27%
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組成件数
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4件
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16件
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–
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資金調達額
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1億4,350万円
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6億4,740万円
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–
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運用終了額
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–
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3億1,750万円
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–
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※2024年7月7日時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選29サービス」の平均値です。
上場企業運営のインカムゲイン型サービスでは、「GALA FUNDING」「Rimple」が存在しますが、どちらも利回りが3%代であることに比べると、利回り4.5%は高い水準です。
他サービスが都心部の駅近・築浅の区分マンションを扱うことに対して、KORYO Fundingは茨城県を中心としたアパートを扱うという違いがありますので投資家により好みは分かれるかもしれませんが、リスクを抑制しつつリターンも求めたい方にはかなり魅力の高いサービスではないでしょうか?
「KORYO Fund」のサービスの魅力、特徴
「KORYO Fund」のサービスの魅力、特徴をまとめると、以下のポイントになります。
「KORYO Fund」の魅力、特徴
- 上場企業が運営するインカムゲイン型ファンドとしては高めの利回り4.5%が期待できるバランスの良いサービス
- アパートを中心としたインカムゲイン型ファンドで、劣後出資比率30%で安全性を高めた設計
- 運営企業はアパート開発や運営のプロであり、運営企業の本業のノウハウをファンド運営にも活用
「KORYO Fund」を運営する「香陵住販株式会社」とは?
不動産クラウドファンディングは、「面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ」する投資商品です。
投資先を選ぶ際には、ファンド運営事業者の不動産事業のノウハウや財務状況を確認することが非常に重要になります。
そこで、「KORYO Fund」を運営する「香陵住販株式会社」をチェックしてみましょう。
「香陵住販株式会社」の基本情報
香陵住販株式会社は、1981年創業の老舗の不動産会社です。
茨城県を中心に事業展開してきた企業で、現在は投資用賃貸物件である「レーガベーネ」の開発を行う他、開発した不動産の不動産管理を継続して行うことで、安定的な収益基盤確保にも力を入れています。
KORYO Fundでは一棟アパートやマンションを投資対象とするファンドを扱っていますが、運営企業の専門性の高い領域に特化したファンドとしている点には安心感があります。
運営企業の立場では、不動産クラウドファンディング投資を通じてアパート投資の魅力を知ってもらい、将来は自社が開発したアパートを購入してもらえれば理想的です。
逆に言えば、不動産クラウドファンディングで損失を経験し、不動産投資を嫌いになられては意味がありませんので、劣後出資比率30%の高い安全性の商品設計としているという面はあるでしょう。
運営企業情報
項目
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情報
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運営企業名
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香陵住販株式会社
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代表者
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代表取締役 薄井宗明
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住所
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茨城県水戸市南町2-4-33
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TEL
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029-227-9300
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会社設立
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1981年10月05日
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「香陵住販株式会社」の決算情報チェック & 業界平均との比較
まず、当サイトに掲載している香陵住販株式会社の決算(2024.7.7時点)を見てみましょう。
運営企業の財務の健全性があらわれる「BS」を確認すると、若干資産規模が拡大しつつあるものの、2023年9月末時点でも自己資本比率32%を超えており、純資産をしっかり確保しています。
不動産クラウドファンディングでの資金調達規模は企業規模からするとごく限定されており、仮にファンドで運用する不動産の売却が困難なケースが生じた場合にも、自社で買取することが容易な財務基盤がある点は安心感があります。
運営企業の稼ぐ力があらわれる「PL」を見ると、3か年連続で同業種の平均を大きく利益率を確保しており、稼ぐ力についても高い水準です。
上場企業のため決算説明会資料など情報開示も充実していますので、気になる方は確認してみると良いでしょう。
※決算の見方については、別記事「
不動産クラウドファンディング事業者の決算チェックポイント」で解説していますので、興味を持った方はご欄下さい。
香陵住販株式会社 決算情報(BS)
項目
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2023年09月30日
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2022年09月30日
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2021年09月30日
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全サービス平均
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総資産
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141億2,911万円
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115億1,122万円
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95億6,402万円
|
–
|
純資産
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46億4,235万円
|
40億4,543万円
|
36億4,972万円
|
–
|
自己資本比率
|
32.86%
|
35.14%
|
38.16%
|
21.62%
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運用中資産規模 AUM(※)
|
3億2,600万円
|
–
|
–
|
–
|
AUM÷純資産
|
0.07
|
–
|
–
|
7.66
|
現預金
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18億4,626万円
|
18億526万円
|
20億3,125万円
|
–
|
現預金比率
|
13.07%
|
15.68%
|
21.24%
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9.09%
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※直近1年間のファンドの募集額に運用期間(年換算)を乗じることで、現在運用中ファンドにおける投資家からの出資金規模を算出。(当サイト独自指標です)
香陵住販株式会社 決算情報(PL)
項目
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2023年09月30日
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2022年09月30日
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2021年09月30日
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全サービス平均
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売上高
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93億2,491万円
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87億1,319万円
|
77億9,915万円
|
–
|
売上総利益
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36億389万円
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34億4,914万円
|
32億662万円
|
–
|
売上総利益率
|
38.65%
|
39.59%
|
41.12%
|
20.49%
|
営業利益
|
8億5,698万円
|
7億9,424万円
|
6億18万円
|
–
|
営業利益率
|
9.19%
|
9.12%
|
7.7%
|
4.63%
|
経常利益
|
8億5,412万円
|
7億9,474万円
|
6億2,962万円
|
–
|
経常利益率
|
9.16%
|
9.12%
|
8.07%
|
3.29%
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※2024年7月7日時点。比較対象は当サイトが収集対象としている「管理人が投資対象候補としたい厳選29サービス」の平均値です。
まとめ:「KORYO Fund」とは?
上場企業が、自らの得意な投資用アパートを中心にファンドを運営する安心感の高いサービスです。
安定した賃料を原資としたインカム型ファンドで、劣後出資比率30%を確保した高い安全性と、利回り4.5%という比較的高い利回りを両立したサービスとなっており、安全性と利回りの両方を求める投資家に適したサービスとなっています。
ミドルリターンが期待できるサービスのため、現在利回りの高い開発型ファンドに投資する方にとっての分散投資先としても魅力のあるサービスではないでしょうか。
最後に
ここまで「KORYO Fund」の魅力と留意点をご説明しました。
不動産クラウドファンディング投資は堅実な利回り投資が期待できる投資商品ですが、万が一の運営事業者の倒産リスクの可能性も踏まえ、分散投資が非常に重要になりますので、新たな投資先候補として検討されるのは、いかがでしょうか?
なお、当サイトではリスク分散の観点で、複数のサービスに対する分散投資を強く推奨しており、投資先サービスやファンド探しに役立つ情報の収集、掲載に努めていますので、他サービスについても是非ご確認下さい。
「KORYO Fund」は不動産特定共同事業法に基づき提供される投資型クラウドファンディングサービス
「KORYO Fund」は、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき厳しい規制やルールのもとで提供される、投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産クラウドファンディングとは、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」という法律に基づき、国土交通省・都道府県から許可または登録を認められた事業者のみが投資家に提供可能な投資商品であり、以下のようなメリット・強みを持つサービスです。
不動産クラウドファンディング投資のメリット・強み
- 株式のような値動きがなく、堅実な配当利回りが期待できる
- 出資金の使途は対象不動産運営に関するものに限定し、リスクを限定
- 優先劣後構造で、ファンドで損失が生じてもまず事業者が負担
- 契約書は行政の審査を経ており、不当に不利な心配がない
- 面倒な不動産運用はファンド運営事業者にお任せ
- ただし元本保証はないため、複数サービスへの分散投資は重要!
不動産特定共同事業法は厳しい投資家保護のためのルールを定めているため、サービスやファンド運営を行う事業者は全て、このルールに従って投資家保護に取り組んでいます。
(上記のうち、優先劣後構造については厳密には法律に定める義務ではないため、ヤマワケエステートなど一部該当しない事業者が存在します。)
「香陵住販株式会社」についても当然、サービス提供事業者・ファンド運営者ともに茨城県知事の許可を取得しており、サービスやファンド運営についても行政の監督を受けています。
(香陵住販株式会社:不動産特定共同事業 茨城県知事 第2号)
不動産クラウドファンディングに共通する特徴や制度については本サイトの
「不動産クラウドファンディングとは?」で解説していますので、ご確認ください。
鈴木 万里夫(仮)
株式投資歴20年以上を経た後、株式・投資信託との分散投資先として不動産クラウドファンディング投資をスタート。
不動産クラウドファンディング投資実績10ファンド / 1,000万円以上。今後もコンスタントに年間10ファンド程度に分散投資を継続予定。
投資検討のために自身が欲しい情報を集約できる投資サポートサイトとしてInvestor’s EYEを企画し、現在管理人として運営中。
【保有資格】 不動産証券化協会認定マスター / 宅地建物取引士