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不動産クラウドファンディングでポンジ・スキームは可能か?

【2025年3月23日 8:30 PM】
本記事では、SNSやWeb等で「ポンジ・スキーム」との指摘があることを受けて、仮に「悪意ある事業者がポンジ・スキームで不当に儲けることを考えた場合」に、どのような形で実現が可能かを、法制度上の投資家保護ルールや仕組みとあわせて解説します。

結論を先に書くと、不動産クラウドファンディングは不動産特定事業法に定められる多くの制約やルールがあり、決してポンジ・スキームの形成は容易ではありません
一方で一定の抜け穴もあるため、ポンジ・スキームであるというリスクがゼロにはなりませんが、リスクが高いファンドの特長、リスクが低いファンドの特長を理解いただくことで、投資判断の材料にしていただけるのではないかと期待します。

冒頭に要点を記載すると、ポンジ・スキームを成立させるためには、まず、①ファンドのお金の流れのどこかで余剰キャッシュを作って、②その余剰資金を循環取引等によりファンドに還流させることで、配当原資を生むというお金の流れを作る必要があります。
余剰キャッシュが生まれなければ、事業の実態がない中では投資家に配当ができませんので、最初の「①余剰キャッシュを作る」余地がないファンドに投資することで、ポンジ・スキーム被害にあうリスクを抑制することができ ます。
不動産クラファンで①余剰キャッシュを作る方法は大別すると、大きく2つの手段があります。

(余剰キャッシュ創出パターン1)安い不動産を不当に高くファンドで購入する
(余剰キャッシュ創出パターン2)過剰な建築・改修・その他支出を計画する

この2つに該当するファンドを投資対象から外すことでリスクを抑制できますが、2つに該当する場合も、(1)の場合は、不動産の取得額が妥当か、(2)の場合は、資金使途について明確な説明があり、その支出額が妥当かをチェックすることで、大幅にリスクを抑制できますので、是非意識いただければと思います。

ポンジス・キームとは

ポンジ・スキームとは投資詐欺の一種で、「運用の実態がない(運用益が出ていない)にもかかわらず、配当等の手段で利益を還元しているように見せる仕組み」です。

運用益が出ていないのに、配当で還元するためには、どこかで配当のための余剰キャッシュを確保する必要があります。
配当を出すことで事業が順調であることをアピールすることで出資金を継続的に募集し、運用規模を膨らませることで得た出資金元本を配当に流用することで配当を継続しますが、そもそも運用益が出ていない状態では、運用規模を膨らませ続けないと配当はできません
結局いつかは運用規模の拡大が限界に到達し、配当原資が枯渇して破綻することになります。

また、この仕組みだと運用規模が年々大きくなっていく必要があることから、被害額が大きくなってしまうという特長も持っています。

ポンジ・スキームのリスクを抑止する不動産特定共同事業法の仕組み

本記事の本題ですが、不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づき提供される不動産クラウドファンディングで、ポンジ・スキームによる事業を成立させることは、可能なのでしょうか?

ポンジ・スキームを成立させるためには、まず、①ファンドのお金の流れのどこかで余剰キャッシュを作って、②その余剰資金を循環取引等によりファンドに還流させることで、配当原資を生むというお金の流れを作る必要があります。
ところが、不特法では以下のような義務があり、①の余剰キャッシュを作る機会をかなり限定しています。

(1)ファンドごとの分別管理義務(=資金の流れの証跡が残るため、不正を隠せなくする)
(2)ファンド募集前に不動産の取得契約を締結する義務(=主要な資金用途と金額が確定する)
(3)運用後にはファンド単位で売却した金額で償還する必要

分別管理義務については不動産特定共同事業法の第27条において、「運営事業者の財産」とも、「他の不動産クラファンの財産」とも分別して管理することが求められています。
(財産の分別管理) 第二十七条 不動産特定共同事業者は、主務省令で定めるところにより、不動産特定共同事業契約に係る財産を、自己の固有財産及び他の不動産特定共同事業契約に係る財産と分別して管理しなければならない。
具体的な運用としては、個々のファンドごとに銀行口座を設けて、ファンドで調達した資金は全てこの銀行口座上で管理する必要があります。
例えば不動産購入価格とファンドの出金額が異なるようなことがあれば、後に行政によるチェックが入った際に、簡単に資金流用がばれてしまいます。
当然、異なるファンド間で資金流用をすれば、投資家やメディアなどに不信感を持たれた瞬間に、行政のチェックで流用がばれてしまい、ポンジ・スキームは早々に頓挫してしまうことになり、被害の拡大を抑止することが可能となります。

一部のサービスについて、ポンジ・スキームであり、ファンド間の資金流用があるような意見が散見されますが、これだけ世の中の関心が集まる中、監査法人や行政のチェックで確認可能なファンド間の資金流用問題が生じていれば、程なくその実態は明らかになるでしょう

また、仮に「悪意ある事業者」の立場で考えれば、行政等からの指摘で即座にとん挫するようなスキームではなく、行政棟からの指摘にも対抗しつつ、長期間ポンジ・スキームを維持して資金規模拡大を狙えるようなスキームを考えたくなるのではないでしょうか。
悪意ある事業者から見れば、不特法には抜け穴に見える点もありますので、長期間持続しやすいポンジ・スキームのパターンを後述します。

なお、不特法第27条で定める「分別管理」では、倒産隔離は実現されない点にはご注意下さい。

不動産クラウドファンディングでポンジ・スキーム/余剰キャッシュを創出できる2つのパターン

「悪意ある事業者」の立場で儲かるポンジ・スキームを形成することを考えると、投資家への配当原資を生み出す「①余剰キャッシュ」を生み出すキャッシュポイントは限られます。
行政等のチェックにも耐えやすい仕組みとしては、大きく2つのパターンが考えられます。

(余剰キャッシュ創出パターン1)安い不動産を不当に高くファンドで購入する

悪意ある売主が不当に高くファンドに対して不動産を売却すれば、ファンドで不動産を購入した時点で既に、売主側に余剰キャッシュ(不当利益)が残ります。
自社保有の不動産をファンドに入れる場合には自社では利益計上できませんが、自身のコントロール可能な別法人からファンドに売却すればファンドの外に余剰キャッシュ(利益)を蓄えることができます。
そうなってしまえば、その蓄えを複数の会社を経由し、ファンドに対して賃料などの形で支払うことでポンジ・スキームが完成してしまいます。

安い不動産を不当に高くファンドで購入するパターン
安い不動産を不当に高くファンドで購入するパターン

投資家にとっては、上記の例で記載する「悪意あるファンド」が不動産を適正な価格で取得していることを確認することが重要です。
不特法においては第三者鑑定評価の取得義務の定めはなく、かなりの高額物件でも鑑定評価の取得や開示をしないファンドが大層を占めていますが、CREALなど一部事業者は第三者鑑定評価を開示していますので、確認可能です。

課題となるのは、キャピタルゲイン型ファンドで、例えば共有持分や特殊性のある難易度の高い、市場価格の評価が難しい物件については、価格妥当性の検証が困難だという課題があります。
また、系統用蓄電池やデータセンターなどの流行りものはトラックレコードや市場に参加するプレーヤーが限定される他、資金使途が不動産以外にも及んでおり、募集額と対象物件価値の妥当性検証がほぼ不可能な物件が存在しています。
海外案件なども、その妥当性や市場性を評価できる人はごく限られる上、現地を実際に調査することが困難という課題があります。
その他にも、他に類似性のない特殊な物件を開発する計画を事業者がたてた場合には、行政はもちろん、同業者でも、不動産鑑定士でも、その価格妥当性を完全に確定すること、または、業者の言い分が実現不可能である、と証明することは極めて困難です。
(もちろん、不動産鑑定士は一定の考え方に基づき積算して鑑定評価額を定めるのですが、将来収益について100%の精度で予測できるわけはありません。)

また、商流にもチェックポイントがあります。
不動産の売主や売却先の他、賃借人などに関係性を疑われる事業者が介在する場合、余剰資金を還流させることが容易になります。
ポンジ・スキームを形成するためには、どこかで①余剰資金を生み出し、②ファンドに還流させる、という構造が基本構造になりますので、商流についてもあわせてチェックしましょう。

(余剰キャッシュ創出パターン2)過剰な建築・改修・その他支出を計画する

不動産クラファンでは、土壌改良、建築資金、改修資金、権利調整資金など、当初に取得する不動産以外にかかる費用をい投資家から募集可能です。
これら業務の委託先に大して不当高額な発注を実施することで、委託先に余剰キャッシュ(不当利益)を確保できます。

この形で資金流用する手法は、過去には金商法に基づくソーシャルレンディングで実際に起きており、オーソドックスな手法と言えるかもしれません。

過剰な建築・改修・その他支出を計画するパターン
過剰な建築・改修・その他支出を計画するパターン

投資家にとっては、上記の例で記載する「悪意ある委託先」のような存在が介在できないよう、ファンドの支出計画が適正であることを確認することが重要です。
現在の不動産クラウドファンディングでは、委託工事費を分計、明示しているファンドは限られていますが、1と2の混在型で、2で支出は伴わないものの、その支出を計上する変わりに、不動産の取得時に、工事費等の費用分を不動産価値に上乗せしているように見られるファンドが存在しています。

例えば以下のような事例で、費用の内訳が見えないものや、その完成までの責任を誰が負い、ファンドではそのリスクをどう抑制しているのか、といった情報開示が不十分なケースがあれば、その点については事業者に問い合わせるなどして、確認の上で投資判断することをお勧めします。
・「建築中の建物」と土地を取得する際に、建物の建築責任を誰がどう、いくらで担っているか不明瞭
・土地のみを取得するが、「土地上に据付設置予定の蓄電池に対する担保権を設定」しており、ファンド調達額のほとんどをその担保権が占める
・建築や大規模改修工事等を行う計画と説明されているが、契約成立前書面等で資金使途が明確となっていない

ファンド出資者にとっては、建物や蓄電池システムが完成させることを出資先(ファンド運営者=匿名組合の営業者)から、契約上はなんらの担保もなされていない可能性があります。
上記いずれのパターンにおいても、投資家にとっては、出資先(ファンド運営者=匿名組合の営業者)自らの責任において、ファンドの資金で完遂する責任を負う契約の方が望ましいです。

また、資金使途が不明瞭で妥当性が検証できないファンドや、投資家から過剰な資金を集めるものの支出しないといったケースが続くような場合にも、注意が必要でしょう。

パターン2の抑止策:倒産隔離スキーム(特例事業/3号・4号事業)における工事支出の制約

パターン2については、一般に倒産隔離スキームと呼ばれる不動産クラウドファンディングにおいては、不動産特定共同事業法施行規則で規制されています。
倒産隔離スキームではそもそも、建物の修繕または模様替工事に限定され(改修工事は許容されていない)、不動産価格の10%以上の委託費の支出はNGです。

国土交通省は不動産クラウドファンディングを通じて、古建物の改修なども期待している面があり、一般的な事業者が行う不特法1号事業では、この10%制限はないのですが、高額な工事費の支出が、わざわざ施行規則で禁止されることもあるポイントである、ということ自体は理解しておくと良いのではないでしょうか。
(特例事業における工事) 第二条 不動産特定共同事業法(以下「法」という。)第二条第八項第四号の主務省令で定める工事は、建物の修繕又は模様替に関する工事とする。 2 法第二条第八項第四号の主務省令で定める金額は、不動産特定共同事業契約に係る不動産取引に係る業務を一の不動産特定共同事業者(第三号事業を行う者に限る。)に委託する場合にあっては、当該不動産取引の目的となる不動産(以下「対象不動産」という。)の価格(鑑定評価額、公示価格、路線価、販売公表価格その他これらに準じて公正と認められる価格をいう。)の一割に相当する額とし、当該業務を一の小規模不動産特定共同事業者(小規模第二号事業を行う者に限る。)に委託する場合にあっては、一億円とする。
なお、この規則の狙いは、倒産隔離スキームでは特に安全性を求める投資家向けのファンドが組成されることを狙い、年金資金などが投資するファンドタイプである「コア(インカムゲイン)型ファンド」に近いものの提供を期待しているものかと管理人は想定しています。
一方で、現実の倒産隔離スキーム型ファンドは、必ずしも安全性重視でのファンドばかりではありません。
特殊性の高い事業用地買取再販型の比較的ハイリスクな案件が存在する他、一部事業者では修繕を超える大規模改修工事が想定されるような案件もあり、このあたりの施工規則や実情との乖離は、今後補正が図られるべき点かもしれません。

不動産クラウドファンディングでポンジ・スキームを拡大するために都合の良い条件

悪意ある事業者にとってはポンジ・スキームを長期的に継続しつつ、ファンド規模を拡大していかないと儲けにくい構造のため、短期/少額のファンドではうまみが小さくなります。
逆に、悪意ある事業社が儲けるつもりの場合に、都合が良い条件をあげてみます。

悪意ある事業者がポンジ・スキームで儲ける上で都合の良い条件1.長期運用型ファンド

5年間、10年間といった長期ファンドであれば、配当を継続することでファンドの運用実績が良いことをアピールして、追加出資を拡大していくという事業モデルが成立しそうです。

配当原資を捻出する手段が必要ですが、例えば協力会社等がファンドが保有する不動産を賃借し、賃料を支払う形にすれば、投資家への配合原資確保も可能でしょう。
この場合、協力会社になんらかの形で余剰キャッシュを配分する仕組みを構成する必要がありますが、上述の1、2の手法で余剰キャッシュが確保できていれば、一定期間スキームを維持継続することも理論上は可能になるのではないでしょうか。

悪意ある事業者がポンジ・スキームで儲ける上で都合の良い条件2.金額が数億円を超える大型ファンド

後述しますが、不動産クラファンサービスの立ち上げには事業免許(許可)取得までに半年以上の期間がかかり、かつ、システムの立ち上げには少なくとも1,000万円規模の初期投資が必要です。
これで5,000万円程度の出資金を取得し、持ち逃げしたとしても、不動産会社にとっては正直、大したうまみがありません。

一方で、立ち上げ初年度に一気に数十億の資金調達をできれば、どうでしょうか。
マーケティングコストに数億円の費用が発生しますが、短期で持ち逃げすることでも大きな不当利得を確保することも不可能ではないでしょう。

この場合も当然、集めた資金と、法律で定められた対象不動産の取得額に大差がなければ、不当利得が限定されます。
単に大型ファンドを組成するだけでは不当利得が得られるわけではなく、余剰キャッシュを生む1,2の手段などを組み合わせた場合、という限定された条件でのみ、悪意ある事業社に不当な利得が得られるということになります。

悪意ある事業者がポンジ・スキームで儲ける上で都合の良い条件3.フェーズ間移行を通じて長期運用するファンド

フェーズ間移行型は一見短期運用にも見えますが、ファンドの運用期間終了後に、継続ファンドでリファイナンスを繰り替えすことで、長期運用を行っている事業者が存在しています。
フェーズ間移行型ファンドでは、不動産が収益を生んでいない開発前段階フェーズでも、継続フェーズが既存ファンドの保有不動産を高値で買い取ることで、元ファンドに売却益が生じて配当ができてしまいます。
また、実際に不動産がバリューアップしていなくとも、継続ファンドが「不当に高く買う」ことに成功すれば、投資家に大しては配当も行い、順調にバリューアップしているとアピールすることも可能で、仮に悪意ある事業者がこれを行った場合に発覚しにくい、という課題があります。

また、事業者が疑いを持たれないためには、具体的なバリューアップ内容や計算根拠を開示することが本来望ましいですが、現状の不動産クラファンではほとんどのケースでは不十分となっています。
これを可能にしてしまう不特法の大きな欠陥として、ファンド間利害関係者取引時にも第三者鑑定評価の取得や、売買価格の制限が義務付けられていないことがあります。

REITなどでは利害関係者取引では、鑑定評価の取得や委託元の承諾を求めるなどの制約があることと比べてかなり緩い規制となっており、今後このあたりで問題が生じれば、ファンド間売買(利害関係者取引)についての規制見直しが求められるのではないでしょうか。

現在の不特法の制度ではフェーズ間移行時の価格についての規制ルールは一定ある(公正価格での取引や、根拠の明示義務)ものの、実際にはほとんど機能していませんので、実際の不動産価値と乖離した価格で売買されていないかを確認することが重要になります。
事業者には売買価格の妥当性等の説明責任はありますので、気になる投資家は運営事業者に質問してみて、納得できる場合に限り投資する、といった考え方もあるのではないでしょうか。
ただ、実際には投資家と事業者の間には情報格差が大きく、現実には悪意ある事業者が虚偽の説明をした場合にチェックすることは難しい可能性がありますので、投資家にとっては、「リスクがある構造」であることの理解が重要でしょう。

不動産クラウドファンディングにおけるポンジ・スキーム抑制の仕組み

ここまで、悪意ある事業者が、綿密に準備をした場合にどのようなパターンでポンジ・スキームが形成しやすいか、について解説しましたが、不特法型クラウドファンディングには多くの制約やルールがあり、決してポンジ・スキームの形成は容易ではありません。
ここでは、主要な制約を抜粋してご紹介します。

ファンド募集時点で不動産購入契約必須

不動産クラウドファンディングでは、投資家からの出資募集開始までに、対象不動産の取得契約、または賃貸契約を締結しておく必要があります。
つまり、ファンド募集時点で既に不動産の取得価格が確定しているわけですので、この取得額自体が妥当であれば、ポンジ・スキームが形成されるリスクが抑制されます。

開発型は建築確認必須

不動産クラウドファンディングで開発型ファンドを組成する場合、事前に建築確認を取得する必要があります。
建築確認時には建物の設計を固める必要があるため、そのために要する工事コストも概ね見通しが立ちます。(もちろんエリアや委託先業者により差分がありますが)
これにより、不当な委託費用を拠出していないか、ということのチェックが比較的容易な仕組みとなっています。

資金使途に沿った募集額

不動産クラウドファンディングでは、事業において不要な資金を調達することが禁じられています。
資金使途を開示しないサービスも多いですが、投資家が不安を感じるようなケースでは、資金使途の説明を求め、納得する説明が有った場合のみ投資することで、目的外流用などのリスクを抑制できるでしょう。

ファンドごとに分別管理義務

この点はこれまでに述べましたの割愛しますが、個々のファンドごとに分別管理(異なる銀行口座で資金管理を行うこと)が求められるため、異なるファンド間の資金流用を行うと、証拠が残ることになります。
悪意ある事業者が仮にいた場合、行政などからチェックされることで露見しますので、大きな抑止効果があるでしょう。

この分別管理は倒産隔離とは異なることも改めて注意してください。

不動産クラウドファンディングには宅建業免許が必須で、犯罪行為で即失効

不動産業界では、宅建業免許がなければ、お仕事ができません。
ところが、宅建業免許は、役員が大きな犯罪を犯すことで一発で失ってしまいます
そうなると、事業としての不動産売買や媒介行為ができない、という、事業者にとっては極めてまずい状況になってしまいます。

業界でのレピュテーションも地に落ちることに加えて、5年間は他の不動産会社の役員につけないなど、狭い不動産業界で稼いでいくことに大して、致命的なダメージを受けることになります。
行政がちょっとチェックすることでばれてしまうような詐欺行為によって失う代償は、しっかり稼げる不動産事業者ほど大きくなる構造となっています。

運営事業者の決算書を見ることで、当該事業者が失う事業利益などは一定の推測ができますので、事業者の決算をチェックして、財務や稼ぐ力が健全な企業に投資先を限定することは、リスク抑止に多様な意味で効果が大きいのではないでしょうか。

最後に

ここまでの解説は、「仮に悪意を持ってポンジ・スキームの形成を企む事業者が存在した場合に、法規制の穴をついてどういった方法を取りうるか」という、性悪説で取りうる「可能性」を考察したものであり、ほとんどの事業者が善良な運営事業者として、適切なガバナンスの元、投資家保護やルール順守に取り組んでいるはず、と管理人は考えています。

不動産事業でしっかり利益を上げてきた、今後も上げていける企業にとっては、犯罪を犯すことで失うものは非常に大きく、簡単には割にあわないのです。
詐欺行為や犯罪行為を行うことでメリットを得られる状態の事業者は、現状の不動産クラファン業界において極めて限られています。
性悪説で投資先を絞り込みたい方は、運営事業者に悪意がある場合に、不動産クラウドファンディングを通じてどの程度の不当利得が生じうるのか、犯罪を行うことで、どのような事業基盤を失うのか、という視点で運営事業者の決算等をチェックすることも重要ではないでしょうか。
鈴木 万里夫(仮)
株式投資歴20年以上を経た後、株式・投資信託との分散投資先として不動産クラウドファンディング投資をスタート。
不動産クラウドファンディング投資実績10ファンド / 1,000万円以上。今後もコンスタントに年間10ファンド程度に分散投資を継続予定。
投資検討のために自身が欲しい情報を集約できる投資サポートサイトとしてInvestor’s EYEを企画し、現在管理人として運営中。
【保有資格】 不動産証券化協会認定マスター / 宅地建物取引士
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